小倉のメイショウカイドウ(小倉の重賞4連勝、小倉8勝目)も、ワンモアチャッター(祖母シャダイチャッターに次いでの小倉記念連対)も、コース適性や平坦適性を示しての快走だったが、クイーンSの上位馬もいかにも夏の平坦重賞向きだった。
勝ったレクレドールのまず最大の勝因は、テン乗りにもかかわらず蛯名騎手の思い切りのいい騎乗でフルに能力を発揮できたこと。最近のスランプはちょっと流れに恵まれなかったりが続いたが、今回は好スタートから4・5番手で流れに乗り、前の有力馬の動きを見られる位置につけた。デアリングハートを見ながら進み、4角でそのデアリングやダンスインザムードを一気に交わしてスパートしたのも快心の騎乗だったろう。
ステイゴールドの全妹であると同時に、サッカーボーイ、バランスオブゲームなどの一族。夏の平坦重賞は最も得意とするところなのだろう。レクレドールは昨年も札幌で勝ったあと、秋のローズSを制している。この季節が合う馬ともいえる。
2着ヘヴンリーロマンスは阪神牝馬Sのあと不振だったが、こちらも好位で流れに乗って久しぶりに快走。あと一歩だった。名牝系ナタシュカの一族、あまりいわれることはないが、平坦適性のきわめて高いファミリーの出身だ。人気のデアリングハートは4着にとどまったが、目標にされる形では苦しかった。もともとちょっと詰めの甘いタイプ(まだ1勝馬)で、1800mもコースも初めて。大敗したわけではないから仕方がないだろう。
ダンスインザムードは復活を期待されたが、折り合いを欠く形でスターリーヘヴンと競って8着。ふっくら見せたのは悪いことではなく、決して衰えたわけでもピークを過ぎたわけでもないが、一度大きく調子を崩した牝馬の立て直しは、さすがの藤沢師をもってしてもなかなか期待通りには……ということなのだろう。巻き返しに注目しよう。1〜6着、全てサンデーサイレンスの牝馬だった。