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札幌記念

  • 2005年08月22日(月) 12時55分
 発表は良馬場でも雨足が急に強くなって滑りやすい馬場。有力馬が休み明け。先週のクイーンS(牝馬限定)からの連闘馬が3頭もいたことなど、波乱の要素に溢れた今回だったが、上位5着までを9、12、13、7、11番人気の馬が占め、人気馬総崩れの大波乱になった。

 コンディションが悪かっただけに、伸び悩んだり失速したグループにはかわいそうな点もあったが、秋のGI路線を展望する馬にとっては、少々つらい結果となった。

 ヘヴンリーロマンスは連闘の牝馬。これはダンスインザムード(8着→12着)とは異なり、クイーンSがあと一歩の2着だったから、勢いに乗っての好調馬の連闘だった。3歳夏の連闘好走も含め、北海道シリーズはこれで[2-3-1-0]となった。夏の北海道シリーズが余程合うのだろう。しかし、恵まれての勝利ではなく、きわめて勝負強かった。底力溢れる牝系から、まだ成長余地さえある。

 ファストタテヤマもこれはフロックではない。この馬、菊花賞2着があるから長距離型の評価を受け、そういうレースに出走することが多く、また前半から最後方に下げて決め打ちしてしまうことが多かったが、本来は中距離型のはずで(成績を振り返るとわかる)、今回は置かれずに進み、直線はインから突っ込んできた。2000mには1分58秒8(03年天皇賞・秋の7着)もあり、改めて中距離能力を示した好走といえる。

 コイントスは最終追い切りで、人気のスズノマーチをあおる好気配。不振が続いていたが、さすがは有馬記念3着馬ということなのだろうか。強気に先行したのも良かった。

 人気で大敗したオペラシチー、ホオキパウェーブの2頭は、それにしても……の感はあるが、次走で再評価だろう。共にいきなりの雨中のレースはちょっときつかった。ダンスインザムードは、かかって行くことを最も嫌う藤沢師にしてさえ、ちょっと手のほどこしようがないスランプに陥った。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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