逃げ、先行馬不在。タニノエタニティ(ズブいくらいの差し馬)が先導する形となり、予想された以上のスローの流れ。前後半の1000mずつが62.2秒-57.9秒という超スローの展開になった。
こうなると、最後の直線に入ってもみんなまだ楽な手応え。勝負どころは残り600mから200mまでの2ハロンぐらいの「瞬発力」となり、ここで刻まれたラップが11.3秒-10.4秒。その前の1ハロンが11.4秒なので、各馬がスパートを始めた地点からのレースの3ハロンは「33.1秒」となる。
軽量の牝馬ヤマニンアラバスタは、勝負どころで連続してハロン「10秒台か、あるいは9秒台」の切れを使った形となり、内から伸びたグラスボンバーは、これも軽量でマイルに1分33秒5、1400mに1分21秒2を持つスピード型。
超スローの流れは、一瞬の切れを持つマイラー型と、軽量の牝馬向きとなった。夏の重賞の1つのパターンではあるが、2001年以降の新潟コースは長い直線の持久力勝負と変わっていたため、最近では少し珍しい形の、後半だけの高速決着だった。
ヤマニンアラバスタは降着、馬体減りなどいろいろあったが、430kg前後まで体が減り、もっとも状態が悪かったときの3歳春がオークス3着の実力馬。今回は中間、札幌まで輸送(除外)があったが、それでもプラス6kgで456kg。やっと本来の姿に戻ったのだろう。芦毛の牝馬は、芦毛×芦毛で生まれているから、ひょっとすると、ゼダーンや、メンデス型のホモ結合型かもしれない。
ヴィータローザ、エリモマキシムなどはゴール寸前、ラップの落ちたところで小差にまで突っ込んできたが、追い込む形の位置取りだったから、この後半57.9秒の決着ではここまでだろう。人気の中心となったダイワレイダースは、前半のあまりのスローに折り合いを欠いた形。フォーカルポイントも同じで、タメを作ることができなかった。