スマートフォン版へ

京成杯AH

  • 2005年09月12日(月) 12時41分
 見どころのあふれる好カードは予想された通りの大接戦になったが、直前の大雨で滑る芝。走りにくいコンディションが大きなマイナスとならなかった馬に味方したのだろう。

 勝ったマイネルモルゲンは、昨年はかかり気味になったのを行かせて成功したが、行きたがるタイプが渋った馬場をマイナスとしないのは定説通り。今年は好位のインでスムーズに折り合ってみせた。馬体重は10kg減って昨年と全く同じ。いかにも上手くいったという形だが、異なる戦法での2連勝は立派。京成杯AH2連勝に、ダービー卿CT。制した重賞はすべて中山の1600mとなった。

 ニシノシタンはもともと行く一手だが、同馬にとっても(他馬が気にするぶんだけ)、この雨のコンディションは大歓迎。一気に飛ばして45.7-47.6秒。二の脚を使って粘り込んだ。1分33秒台前半の決着はいつものパターン通りであると同時に、母は重の中山で快走したブランドピート。快速馬のようにみえてこういう馬場も苦にしなかった。

 中団から突っ込んできたのは、58kgのウインラディウス。こちらも少し折り合いに難のある馬で、滑る芝に気を使ったぶん、逆に折り合いがついた。

 今年の京成杯AH、3歳馬、4歳世代が人気の中心だったが、大雨で走りにくいコンディションは、キャリアに勝り、苦しいレースを数多く経験していた「古馬」に有利だった。

 3歳パリブレストが最後に突っ込んできたが、この馬、ギリギリの体つきで464kg。夏にもうひと回り成長が欲しかった。逆に、3歳ではマイネルハーティーのスケールアップした好馬体が目立った。のめって前半ついていけなかったが、大外から詰めて0.4秒差だけ。次走の好走必至だろう。コスモサンビームは好気配とみてたが、長期休養明けで善戦したあとの2戦目。このパターンはもっとも力が発揮しにくいのだろうか。追い出してからが案外だった。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング