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【短期集中連載】たった一度っきりの“マッチレース” 1996年阪神大賞典−ナリタブライアンvsマヤノトップガン−(第6回/全7回)

  • 2019年03月15日(金) 18時00分
ナリタブライアン

▲ 最後の直線でマッチレースを繰り広げたナリタブライアンとマヤノトップガン


第6章 そして生まれた「世紀の名勝負」


 向正面に置かれたゲートが開くと、10頭の出走馬は互いに様子を伺うように、ゆったりとレースをスタートさせた。少頭数の長距離戦、スローペースは大方の予想通り。そんななか、誰も行かないならといった感じで、最内から河内洋騎手のスティールキャストが先頭に立った。

 ペースは遅く、馬群は比較的固まったままレースは進む。スティールキャストの後ろにアワパラゴンとトウカイパレス。その直後の4番手あたりにマヤノトップガンがいて、それをぴったりマークするようにナリタブライアンが5、6番手の外に続いた。

 正面スタンド前、1000m通過は1分03秒0。明らかなスローペースだった。1〜2コーナーを回り、2周目の向正面に入ってもペースは上がらない。向正面の半ば過ぎ、2000mのラップは2分07秒1。さらに遅くなっている。と、ここでレースが突然、動き出した。3コーナーの手前で、もう我慢できないとばかりにマヤノトップガンが上がっていったのだ。

 これを追ってナリタブライアンも外から上がっていく。2頭ともほとんど手綱は動いていないのに、みるみるペースが上がる。アッという間にマヤノトップガンが先頭に立ち、ナリタブライアンが迫る。3番手のハギノリアルキングが離れる。歓声がまるで悲鳴のように変わる。

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