無敗の3冠馬まであと一歩となったディープインパクト。無事に夏を乗り切った時点でほぼ約束されたに近かったが、神戸新聞杯の独走をみると、改めて他のライバルとは次元が違っていた。スピード決着の距離2000mなので、3コーナー辺りから外に出すと、自分からスパートを始めている。見ていて楽しくなるぐらい余裕の、異次元の勝ちっぷりで、もうここまでくると、無敗の3冠馬だとかは単なる通過点で、さらにその先にどういう未来が待っているのか、想像できないほどだ。
やがて天皇賞(秋)の2000mを本気で走ったら、1分56秒5ぐらいで独走する気がする。日本ダービーが2分23秒3でまだ余裕の勝ちっぷりなのだから、ジャパンCの2400mは、普通の芝ならホーリックス、オグリキャップの2分22秒2を上回るだろう。それも楽に。
遠征するのはアメリカが合うのだろうか、それともヨーロッパがいいのか。ディープインパクトには、さらにみんなの期待を上回るような未来が広がってほしい。
さまざまな形容やキャッチコピーが登場しはじめているが、平成の……の類はあまりにも平凡で、どれもディープインパクトに合わない。のけぞるような形容詞を、だれかひねり出せないものだろうか。言葉を作りたい。既成の単語は合わないだろう。
448kgの馬体重は春と変わらなかったが、ずっと大きく見えた。馬体重が増えて強くなる馬もいるが、シンボリルドルフは2歳の新馬戦が474kg。2年後のジャパンCが480kg。ほとんど変わらなかった。強さを保つには、体重を変えないことも、歴代のスーパーホースのひとつのパターンでもある。
2着のシックスセンス(上村騎手)も立派。今回は正攻法で動いた。ローゼンクロイツも立ち直ってきたが、ディープ以外の今年の3歳馬、いままでのところ相手として名前の出てくる馬は、みんな3000mになってプラスはない馬ばかりの気がする。菊花賞の2〜3着馬探しは、ケタ違いに難しいだろう。