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桜花賞と同じ舞台、注目の一戦/阪神牝馬S

  • 2019年04月05日(金) 18時00分

昨年の桜花賞での無念を晴らせるか


 桜花賞前日の、同じ阪神外回り1600mのこのレース(牝馬限定戦)には、アーモンドアイの勝った昨年の桜花賞で先行して2着(0秒3差)に粘ったラッキーライラックと、好位からそのまま粘って6着(0秒7差)のリバティハイツが出走してきた。

 ラッキーライラック(父オルフェーヴル)が圧倒的な人気を集めるから、この馬が好走すると配当の妙味はなくなるが、芝コンディション(先週からBコースに移動)がしっかり確認できる。また、ほとんどの騎手が桜花賞の人気馬に騎乗する。川田(ダノンファンタジー)、北村友(クロノジェネシス)、M.デムーロ(アクアミラビリス)、福永(ビーチサンバ)…など。

 最後の直線の進路の取り方など、かなりヒントになるところがあると思える。さらには、先行すること必至のダイアナヘイロー、ミッキーチャーム、そして人気のラッキーライラックがいるので、阪神1600mの流れ(レース展開)もイメージできるだろう。

 昨年の桜花賞のラッキーライラック(当時1番人気)は、阪神JFを1分34秒3(上がり33秒7)で抜け出して完勝し、チューリップ賞は1分33秒4(上がり33秒3)で抜ける同じような快勝のあとだった。馬場差は難しいが、今年のダノンファンタジーとほぼ互角か、それ以上の評価だったろう(あくまで参考だが、桜花賞出走時の持っていた最高レーティングは同じ111)。

 そのラッキーライラック、桜花賞でアーモンドアイに完敗し(0秒3差)、つづくオークスでも完敗(0秒6差)。秋の秋華賞ではさらに差を広げられて9着(0秒8差)。「こんなはずではない」「なんとか逆転を…」と必死にがんばったラッキーライラックと陣営はつらかったが、相手がアーモンドアイなのだから、いま思えば、納得の消化ができる。

 見事に立て直して、牡馬相手のGII中山記念1800m1分45秒5(クビ差同タイム2着)は、コースレコードと0秒6差。1600m通過は1分33秒6。最後までバテなかった。

 今度は牝馬同士で別定54キロ。先行抜け出し型だけにまず崩れないはずだ。反動を感じさせない動きは、中山記念時を上回っている。

 相手は差しタイプが魅力。左回りに良績は集中するが、2走前(初の中山)の内容から、よりのびのび走れる外回りの阪神なら切れが生きると思えるレッドオルガ(父ディープインパクト)、マイル向きのカンタービレ(父ディープインパクト)。10月のポートアイランドS(阪神1600m)で快走しているリバティハイツ、ミエノサクシードも軽視できない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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