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平成最後のクラシック!有力馬の追い切りをチェック!

  • 2019年04月10日(水) 18時00分

やはり「超一流」か 迫力満点サートゥルナーリア


 今週は皐月賞。各馬の最終追い切りが気になるところですが、あいにく10日水曜日の栗東は大雨。レースと同じで、晴れている時、雨が降っている時で走りが違ってくる馬もいるだけに、その部分と「調子」の見極めが少し難しくなってきます。とはいえ、たくさんの方が参考にしてくださっている『重賞捜査網』と『ウマい馬券』。いつものことながら、少しでもみなさんのお役に立てるように頑張ります。

 皐月賞は人気の序列がハッキリとしていますが、中位あたりに人気する馬も曲者揃い。枠の並びやレース当日の天気によっては、決して堅く収まるというわけでもなさそうな気がします。レース当日は中山競馬場の内馬場でイベントがあるだけに、晴れている方がうれしいのですが、馬券的には雨が降った方が波乱かも知れませんね。

【アーリントンC/ヴァルディゼール】

 渡辺薫彦厩舎は先週の桜花賞がシゲルピンクダイヤで2着。同じ3歳という意味では厩舎の勢いを無視することはできませんし、この馬自身の調子も良さそう。1週前追い切りではCWで3頭併せでしたが、一番後ろから追いかけて、最後はきっちりと先着。6F83.9秒は特筆するほどの数字ではありませんし、1F12.0秒もまあまあ。ただ、安定した走りは印象的でした。

 最終追い切りは前回と同じく坂路。前回は4F目が最速になるラップを踏みましたが、今回は3F目12.5秒、4F目12.6秒。僅かながら減速するラップになってしまいましたが、これは馬場が影響したもの。後半2Fが12秒台という意味では決して悪くありませんし、あとは競馬場が京都から阪神に替わるという点についての適性でしょう。

ヴァルディゼール

阪神競馬場への適性が問われるヴァルディゼール(写真奥、4月4日撮影)


【アンタレスS/グリム】

 レパードSの後は地方交流競走で4戦。すべて55キロ以下で走れるところを使っており、賞金加算のローテーションとしては申し分ない使い方だったというのが個人的な印象です。ただ、今回は57キロ。さすがに斤量面で有利さはありませんし、多頭数で揉まれるレースになった時の心配はあります。

 ただ、追い切りを見るかぎりはそんな不安が吹き飛んでしまいます。CWで3頭併せの最後方追走でしたが、最後の直線は最内から楽々と抜け出してきます。追い切りでは動くタイプとはいえ、時計は6F81.9〜5F66.9〜4F52.7〜3F38.3〜1F12.4秒。馬場状態を考えれば、素晴らしく速い数字ですし、あとはこの動きがレースにも直結すれば。

グリム

不安が吹き飛ぶような調教内容のグリム(写真奥)


【皐月賞/サートゥルナーリア】

 ホープフルS以来となりますが、別記事にも記したように、2歳時よりも精神的に落ち着きが出てきたことで、いろんな面がパワーアップしています。もちろん他の3歳馬も年齢と経験による成長はあると思いますが、やっぱりこの馬は「超一流」としてのパワーアップがあり、1週前追い切りまでの動きを含めて、魅力的な馬です。

 最終追い切りもC.ルメール騎手が騎乗。ただ、先週に比べると、CWでの併せ馬は少し前を追いかけるような仕草がありました。きっと馬自身がもうすぐレースであることを察知しているのでしょうし、それは許容範囲の動きだと思います。後ろから追いかけてきたシャケトラには追い抜かれないあたりが、引っ掛かっていなかった証拠だと思いますし、状態としてはほぼ万全でレースを迎えることができると思います。

サートゥルナーリア

万全の状態で皐月賞へ臨めそうなサートゥルナーリア(写真右)


【皐月賞/アドマイヤマーズ】

 共同通信杯から皐月賞というのは、前走後すぐに発表されたローテーション。それゆえに共同通信杯が少し緩めの仕上げになることは承知していました。それでも勝てると思いましたが、レース当日のテンションは高めだったようですし、馬自身のパーツとしては2000mに全く不安はありませんが、気性という面では、多少の不安があるのかも知れません。

 ただ、1週前追い切りのCWでは迫力満点。あのパワーならサートゥルナーリアと互角に叩き合うことができるかもと思いたくなります。最終追い切りは前回と同じく坂路でサッと仕上げましたが、時計的には前回よりもかなりしっかりやりました。しかし単走だった点は朝日杯FS時の最終追い切り併せ馬先着とは違う内容。ここをどう評価するかでしょう。

アドマイヤマーズ

前走以上にしっかりと追い切ったアドマイヤマーズ(4月9日撮影)


【皐月賞/ヴェロックス】

 コーナー4つの芝中距離で負けていません。というか、常に完勝というレースぶり。しかも3勝はすべてメンバー最速上がりをマークしており、先行しながら後続を完封するというレースぶりはいかにも皐月賞向きと思える戦績です。ただ、その3勝は相手がどうだったかという話。さすがにこのメンバーでも同じ芸当が通用するかどうか、そういった意味では人気先行だろうというのが、最終追い切りを見るまでの印象でした。

 ところが。川田将雅騎手が跨った芝馬場での最終追い切りが絶品。素晴らしいフットワークで併せた相手をぶっちぎる先着の内容でした。時計は5F70秒そこそこですから、全く速くありません。ラストも1F12.0秒。ただ、余裕の手応えであの伸びは感心するしかありません。しかもレース当日に雨が降るようなら、この追い切りと同じ状況。さあ、どう評価しましょうといった感じです。

ヴェロックス

雨の中素晴らしい追い切り内容のヴェロックス(写真手前)


◆次走要注意

・4/6 阪神牝馬S【ラッキーライラック】(1人8着)

 レースはご覧いただいた通り。ただ、馬の状態に関しては、担当者の丸内永舟調教助手に確認しても「良かった」とのこと。また、レース後のダメージも無いようですし、その根拠については同助手からしっかり教えていただいたので、それはまたヴィクトリアMの時にでも。

[メモ登録用コメント] [ヴィクトリアM]最終追い栗坂4F目最速ラップ

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【エガオノメガミ】

 最終追い切りは併せ馬先行で最後まで手応えが楽だったように、自分のリズムで走ることができれば、すぐにでも結果が出そう。初出走の前走は仕方ないにしても、今回きっちり結果が出なければ、くらいの気持ちです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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