予測されたとおりの勝ち時計1分07秒3が記録され、前半32.0-後半34.4秒の流れも戦前に考えられた通り。カルストンライトオが行き、2〜3番手追走を理想としていたサイレントウィットネスがその通りの位置で流れに乗り、デュランダルは自分の形を守ってほぼ最後方。能力上位の支持を受けたGI勝ち馬が1〜3着を占め、短距離のGIらしく(レース展開が結果を左右する要素にならないから)、順当な結果のGIだった。
勝ったサイレントウィットネスは今回はあまり馬体減りもなく558kg。慣れた右回りで、ベストに近い1200m。レース前から陣営も自信満々だったが、持てるスプリント能力をフルに爆発させた。コーツィー騎手はスタート直後から、ずっとライバルの位置を確認するような素振りを再三みせていたから、好スタートで予定通りの位置につけてからは、余裕があったのだろう。スパートした坂の部分の1ハロンも11秒5。急坂もまったく応えなかった。セン馬の6歳。帰って3連覇のかかる国際G1香港スプリントを目指したあと、来年もグローバル・スプリント・チャレンジを中心にこの短距離路線を進むという。しばらくランキング通りのチャンピオンの座に君臨しそうだ。
デュランダル自身の前後半は34.8-32.7秒=1分07秒5。前半はひかえて後半の3ハロンに賭けるレース運びで、大外からあと一歩。自身の1200mの時計は短縮して、衰えなしの爆発力を示したが、前半に置かれるだけに1分07秒5前後が限界だろう。こちらはマイルチャンピオンSに向けて、視界良好となった。ツメの不安が生じなければ、3連覇して不思議ない。アドマイヤマックスは3着にとどまったが、同馬も能力はほぼ出し切っている。納得の3着だろう。プレシャスカフェは「のどの状態が…」(蛯名騎手)という。スランプ脱出に時間がかかりそうだ。