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皐月賞、牡馬クラシック初戦をどうとらえるか

  • 2019年04月13日(土) 12時00分

前哨戦でつかんだ手応えとは


 当然と言えばそうかもしれないが、皐月賞を勝ってダービーも勝つことは、そんなに多くはない。距離が違えば、コース形態も異なっているのだから仕方がない。この5年で春の二冠を達成したのは、ドゥラメンテ一頭だけ。他の4頭の皐月賞馬のダービーの成績は、2着、3着、5着、そして昨年のエポカドーロはダービーではワグネリアンの2着だった。では、逆にダービー馬の皐月賞の成績を見ると、二冠馬以外は、4着、2着、5着、昨年のワグネリアンは7着だった。これを見ただけでも、皐月賞馬はダービーでは勝てなくても好走はしていることになる。

 どの陣営も、春のクラシックは一世一代の目標としているのだが、この時期の若駒たちには成長の度合いに差があるから、早く強くなるものは皐月賞から力を発揮できるし、そうでないものは、少しでも鍛錬を積んでからということかもしれない。

 そうなると、そこまで来るまでの前哨戦でどんな感触をつかんでいるかを知りたくなる。もしかしたら、皐月賞には出走しても、この次のダービーを見据えてのひと叩きかもしれないとも考えられるのだ。東京の2400米を念頭に確かなものをつかんでおきたいと、この2000米にのぞんでくる、場合によっては有り得ることだ。皐月賞からダービーと一気呵成に突き進むもの、前哨戦でつかんだ手応えから、ダービーでこそと腹を決めているもの、全ては、これまでの前哨戦、弥生賞、スプリングS、最近春のクラシックで良績のある共同通信杯で何をつかんでいるかで決まってくる。

 いつも思い出すのが、スペシャルウィークで初めてダービー騎手となった武豊騎手のことだ。弥生賞を勝った時点でダービーを意識していたようだし、皐月賞で敗れても、その意識はゆるぎなかった。どういう馬ならダービーを勝てるか、それまでの騎乗ではっきりつかんでいたのだ。もちろん、その逆も考えられる。ダービー向きではない、皐月賞こそ目一杯走って、その先のことはその後に考えようという馬もいる。そしてもう一点、中106日で皐月賞が3歳初戦というホープフルS以来のサートゥルナーリアの存在だ。グレード制導入後、このケースは8頭いて、最高がレイデオロの5着だった。桜花賞馬の中111日の例に続くか、今年のトレンドになる可能性もある。とにかく、実績のある騎手に、取り合えず注目するのがセオリーか。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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