特に強力な先行型がいなかったため、途中からコスモバルクがハナに立つ形は予想通りだったが、ひところほど折り合いを欠いて一気にハナを奪う形ではなく、前半の1000m通過は61.2秒のスロー。後半45.3-33.6秒(11.7-11.1-11.1-11.4秒)のスプリント戦のような後半800〜600mに集約されるレースになってしまった。
勝った7歳馬サンライズペガサスはタメて爆発力を生かすレースが多かったが、テン乗りの後藤騎手にはそういう固定観念がなかったのが大きなプラスとなった。この超スローならどの馬でも先行出来るが、みんな自分の形が出来ている古馬オープン馬。いきなり形を崩すわけにはいかないが、サンライズペガサスはスムーズに好位追走。ラップの上がった残り800mのあたりでは、もう2〜3番手を楽に追走していた。この馬、絶好調に近かったのは3〜4歳時で、菊花賞は4番人気。4歳時の大阪杯では並ぶ間もなくエアシャカール以下を差し切り、秋の毎日王冠は1番人気、続く天皇賞(シンボリクリスエス)では、仕掛けのタイミングを誤った形でも0.1秒差だった。あれから3年、屈腱炎での長期休養を2度も重ねながら甦ったのだから、これは流れにうまく乗ったとかではなく、また秋の天皇賞を狙える位置に戻った点で、奇跡的な復活といえる。左回りで勝ったのは初めてだった。
2着テレグノシスもベテランの6歳馬。こちらは自分の形を守る直線急襲で、上がり32.6秒を記録している。内容は昨年の毎日王冠1着時を上回る猛烈な切れだった。昨年の本番は11着だったが、今なら2000mもこなせるかもしれない。期待したカンパニーは後方追走。上がり32.9秒で詰めたが、テレグノシスほどは切れなかった。人気のダイワメジャーは、流れが一番味方したわりに追って一歩。また、のどが鳴った(横山典騎手)ともいう。スイープトウショウは57キロでこの内容の6着なら、本番前のステップとしては上々だろう。