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3歳マイル王の座に輝くのは!?NHKマイルCの追い切りチェック!

  • 2019年05月02日(木) 18時00分

アドマイヤマーズの取捨に本当に悩む


 先週はフィエールマンが天皇賞・春を優勝。無印にした馬に勝てれてしまうという、予想を参考にしてくださった皆様には本当に申し訳ない結果になりましたが、個人的には「この調教は思い切った評価が必要」と考えていただけに仕方ないと思っています。

 レースを見ると、思った通り、行きたがるところを見せましたが、そこをうまくなだめながら、いいポジションに収まっています。それがC.ルメール騎手。誰が乗るかは発走前から分かっているのですから、そこが言い訳にならないのは重々承知。ある意味、割り切って予想しただけに、ここはごめんなさいと頭を下げるしかありません。

 実は今週も思い切った評価をすべきかどうか悩んでいる馬がいます。しかし、そこを思い切れないのは先週の苦い思い出があるから。ただ、先週は「絶好調すぎる」フィエールマンが引っかかる予想でしたが、今週は違って時計が遅すぎるんですよね。この評価、本当に難しいです。

【NHKマイルC/アドマイヤマーズ】

 冒頭に記したのはこの馬のこと。実は皐月賞をほどよく負けて、NHKマイルCでは馬券になるだろう。友道康夫厩舎ではクラリティスカイがこのローテーションで結果を出しているだけに、そんなイメージができます。

 そのクラリティスカイは皐月賞から中2週でしたが、最終追い切りは栗東坂路で併せ馬に先着して、4F53.6秒という時計でした。対して、アドマイヤマーズは最終追いが栗坂は同じですが、4F時計は56.6秒で単走。同じ馬ではありませんから、ここの比較は無意味かも知れません。ただ、同じ厩舎ということを思えば、今回のアドマイヤマーズがかなり物足りない最終追いというのは間違いありません。全休明けの水曜日など、時計が遅くなる要因はありますが、さあこれで競馬がどうか。この判断が本当に悩みます。

アドマイヤマーズ

今回のアドマイヤマーズの最終追いはかなり物足りない(5月1日撮影)


【NHKマイルC/ダノンチェイサー】

 きさらぎ賞からの直行は予定通り。きっと1回レースを使うとテンションが上がってしまうタイプなのかなと思っていましたが、この中間の追い切りの動きを見ているとやっぱりそうなんだと納得できます。それが3週連続して、CWでの併せ馬に先着している点。

 霧の影響でハッキリとは確認できなかった2週前追い切りでしたが、モヤの中から鋭い脚色でサンラモンバレーに先着した前向きさは目立っていました。最終追い切りではCWに3コーナーから入場して、4F追い。ヴェルテアシャフトを追走して、楽に先着しましたが、その推進力は素晴らしかったと思います。2連勝中ですが、調教内容はその2走よりも数段上。さすがの厩舎力を感じますし、あとは他の有力馬との力関係だけ。

ダノンチェイサー

推進力は素晴らしかったダノンチェイサー(写真左)


【NHKマイルC/ファンタジスト】

 1週前追い切りが4F56.4秒の栗坂追い切りだったので、さすがに中2週で上積みはないのかなと思いましたが、4月28日に4F52.5秒をマーク。日曜追いにも関わらず、ここまで時計を出してくるのはきっと予定通りだったんだろうと思いつつ、最終追い切りがどんな内容になるかを期待していました。

 ある意味、想定していた通りの4F53.1秒、1F11.9秒。今週は水曜と木曜で2頭しかいない4F目11秒台ですが、そのうちの1頭に該当。全体時計がこれだけの数字が出たのに、終いしっかりしているのですから、やっぱり素晴らしい脚力。距離は2000mまで対応できると思いますが、やっぱりマイルあたりが脚を使いやすい距離なのかも知れません。京王杯2歳Sの結果を考えても、東京競馬場ならまだ見限れません。

ファンタジスト

終いがしっかりしていファンタジスト(4月22日撮影)


【NHKマイルC/グルーヴィット】

 初芝だった前走が前半脚をためて、最後の直線で一気に爆発させるようなレースぶり。最後はハッピーアワーに差されてしまいましたが、芝適性も見せるような走りだったと思います。

 今回は中6週。追い切り6本は決して多くありませんが、少なくもない本数。1週前追い切りは4F時計こそ遅いと思いましたが、最後の脚力はさすがといった走り。そして、最終追い切りにはD.レーン騎手が跨りましたが、松永幹夫調教師の話によると、ジョッキーはこの馬の能力を褒めていたとか。それもそのはず、4F51.3秒という栗坂での全体時計は1日で二番目に速い数字。それでいて、2F24.1秒ですから、スピードの持続力は本当に素晴らしいと思います。あとは初めてのマイルがどう出るかでしょう。

グルーヴィット

D.レーン騎手もグルーヴィットの能力を褒めていたとか



【NHKマイルC/クリノガウディー】

 スプリングSの結果は、中間の調教内容から思ったより走ったという印象でしたが、前走皐月賞はあまりにも走らなさすぎたという結果。これが距離なのか、他にも敗因があるのか、判断の難しいところだと思います。

 今回は距離がマイルになりますから、当然、朝日杯FSのような走りを期待したいところ。しかし、追い切りの動きはさほど目立っていません。中2週ということもあるでしょうが、それ以上に走りに以前のような安定感が見られません。それでいて、数字自体は2歳時の方が優秀ですから、やっぱり厳しい戦いになると思います。

◆次走要注意

・4/27 ゆきつばき賞【タマモメイトウ】(3人1着)

 決して、ベストとは思えない調教内容での勝利。短距離でためて差すという走りに安定感が出てきました。次走は葵Sを予定していますが、差せる馬場なら期待できます。

[メモ登録用コメント] [葵S]最終追い栗坂4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・4歳上500万下【ラブリースパイス】
 亀田温心騎手が初騎乗ですが、中間の追い切りでは跨っています。これまでに比べて落ち着きが出てきましたし、ジョッキーとの相性も良さそう。スタートを決めれば、自分のリズムでレースができるはず。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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