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令和元年にふさわしい名馬の誕生なるか

  • 2019年05月04日(土) 12時00分

競馬界も時代とともに常識は変化していく


 新しい時代にふさわしいスターホースの出現に期待したい。のちのち、令和元年にはこんな馬が活躍したんだと語り草になるような馬を。女傑アーモンドアイがいるが、こっちはドバイでタイトルを取った一瞬はわいたが、やはり目の前で見ないことには、感動は長続きしない。それだけ、東京で続くGI戦への思いは強くなる。

 常識は時代とともに変化するが、競馬も例外ではない。よく目配りして、その変化をしっかり受け止めなければならない。桜花賞馬グランアレグリアは中111日で勝ち、皐月賞馬サートゥルナーリアは中106日での勝利だった。

 いずれも、前走から最長間隔での優勝記録だったが、NHKマイルカップは、これまでは2014年の勝ち馬ミッキーアイルの中70日が記録として残っている。これを破れるのは、今年はダノンチェイサーの中90日での出走だけ。前者はアーリントンカップ、後者はきさらぎ賞1着が前走の成績、一応頭に入れておけば役に立つこともあるだろう。

 歴史はくり返すというのも、競馬によく見られる。昨年のアーモンドアイを受け継ぐ牝馬となる可能性を持っている桜花賞馬グランアレグリアだが、桜花賞馬が過去NHKマイルカップに出走したのは一頭だけで、2005年の優勝馬ラインクラフトだ。この2頭の共通点は、いずれもレースレコードで桜花賞を勝っているところだ。牡馬相手でも2キロの斤量差があればという見込みは立つ。

 ラインクラフトの場合は「血統的背景と折り合い面の不安からオークスでなくこっちにした」と瀬戸口調教師は語っていたが、手綱を取った福永祐一騎手はレース後、「こちらを選んでくれたオーナーとトレーナーの決断のおかげで勝つことができた。きょうも前半少しハミを噛んでいたし、2400米だったらかかっていたかもしれない」と述べていた。

 この年は、1、2着馬が桜花賞の1、3着馬で、牝馬のレベルが高かったとも言えたのだが、今年も牝馬のレベルは高そうで、桜花賞組はオークスでも上位に来ると思っている。

 最優秀2歳牡馬のNHKマイルカップ優勝は2011年のグランプリボス一頭だけだから、アドマイヤマーズには8年ぶり、2頭目の記録がかかっている。

 スターホースと呼ぶには、これらの記録に加え、この次の成果も求められる。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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