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秋華賞

  • 2005年10月17日(月) 12時27分
 ステップのローズS・2000m(阪神)が、後半1000m・59秒1の決着で、勝ったエアメサイアの後半3ハロンが34.2秒。半馬身差2着のラインクラフトのそれが34.8秒。3着以下は3馬身半離れていた。

 本番はローズSほどスローではなかったが、京都の内回りで後半1000mが59.1秒。勝ったエアメサイアの繰り出した後半3ハロンの切れが34.2秒。2着に惜敗したラインクラフトの上がりが34.7秒。直線はローズSの再現のような秋華賞だったが、印象だけでなく、残された数字までまったく同じで、3着以下が3馬身離れたところまでほとんど同一に近い形だった。

 秋華賞は牡馬とは異なり、未知の能力を求められる距離ではなく、いつものレースと同じ2000m。各馬の能力通りにごく順当な年と、人気馬が崩れて大波乱になる年と両極端分かれるのがパターンだが、今年はごく順当な結果が導かれる典型的な「力関係」の年だったのだろう。エアメサイアは2週にわたって好時計で追われ、それでギリギリの仕上がりに映ったローズSからプラス6キロ。落ち着き払っていた。ラインクラフトはやっぱり2週連続ビシッと追われ、プラス8キロ。当日はこちらの方がややテンションが高く、カリカリした一面をみせたが、好気配キープ。

 ローズSより今回の方が、さらに両馬はそれぞれの持ち味をフルに発揮。ローズSより一段ときわどいクビ差の決着になったが、連続してエアメサイアが先着して、これで両馬の対戦成績は2勝2敗。2000mではエアが2勝し、1600m以下ではラインクラフトが2勝。これは2頭の力関係にとどまることではなく、今後の両馬の進む道を示すことになる。

 ニシノナースコール以下は3馬身も離れてしまっただけに、案外の内容だったショウナンパントル、ライラプスなども、異なる世代と対戦するGI〜GII路線では、展望がかなり厳しくなった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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