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【ラジオNIKKEI賞】随分と手こずらされてきた3歳馬のハンデ重賞

  • 2019年06月29日(土) 12時00分

圧倒的に不利だった牝馬の抬頭があるか


 力量の定まっていない3歳馬のハンデ重賞と言うだけで、穏やかでいられない。ラジオNIKKEI賞には、これまで随分と手こずらされてきた。現在の条件になった2006年以降、1番人気が勝つまでに10年もかかっていた。

 ところが、2015年にトップハンデで1番人気のアンビシャスが勝ってからと言うもの、それまでのジンクスめいたものがぐらついている。トップハンデ、1番人気は勝てないという考えに囚われることはない、そこから検討のスタートを切るようにしてきたのだ。

 昨年の1着メイショウテッコン、2着フィエールマンは、その典型と言っていいだろう。好走例の多い5月京都の白百合Sを逃げ切っていたメイショウテッコンは、56キロのトップハンデながら2番人気。3番手のインで早目に進路を確保したのが勝因。1月の東京の新馬戦でデビュー勝ちしたフィエールマンは、弱い体質を考慮して無理をさせず、4月の中山で1800米を勝って2戦2勝、ハンデ54キロが有利とみられてこちらが1番人気だった。スタートで後手を踏んだが、ごちゃつく馬群を抜け出し大外から伸びてきて2着、敗れても印象に残るレースだった。

 この一戦は福島1800米を戦うひとつの型を見るようで、小回りコースを克服するには早目に好位置を占めた方が有利。それには好スタートを切ることが第一ということだ。昨年の3着馬キボウノダイチが、53キロで逃げて最内のコースを走って最後まで粘り通したのは、その典型だった。

 53キロで逃げた馬と言えば、2017年2着のウインガナドル、2015年3着のマルターズアポジーがいて、この4年で3着以内に3頭も入っている。逃げに限らず、軽ハンデの先行馬が有利というのは、当然と言っていい。

 そのハンデだが、初めてトップハンデで勝ったアンビシャスは56.5キロで、その上の57キロを背負った馬はこれまで8頭いて、2008年のノットアローンが唯一2着に入っただけ。今年のランスオブプラーナがどう逃げるか。展開のカギを握るのがこれと、51キロの牝馬サヴォワールエメで、速い流れをのぞんでいる馬たちの中で、白百合Sの勝ち馬で54キロの牝馬レッドアネモスが有力な一頭になりそうだ。

 これまで圧倒的に不利だった牝馬の抬頭があるか、それともスプリングS組のディキシーナイト、ヒシイグアスが秋の飛躍を予感させるレースを見せるか。今年も手こずりそうだ。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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