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【マーキュリーカップ】グリムがここから秋の飛躍を誓う

  • 2019年07月14日(日) 18時00分

秋のGI戦線へ向けて、弾みをつけたい馬達の戦い


 7月15日(祝・月)盛岡競馬場で行われる『第23回マーキュリーC』。2000mで争われるこのレースには、秋の飛躍を目指す馬たちが集結。特に今年は、JBCクラシック・チャンピオンズC・東京大賞典と続くGI・JpnI戦線へ向かいたい注目馬が参戦します。

 勢いある4歳馬・グリム。レパードS、白山大賞典、名古屋大賞典と3つのダートグレード競走を制覇した、今回のメンバーでは格上の実績馬。前走・アンタレスSは、勝ち馬・アナザートゥルースには1/2馬身屈したものの、ロンドンタウンの追撃をしのいで2着を守ったのは立派。メンバー中最重量の56kgですが、前走(57kg)より軽くなるのは好材料。昨年6月のユニコーンS以来、重賞レースだけを使って7戦3勝・2着2回・3着1回【3-2-1-1】(ユニコーンSは直線で不利があって9着)という素晴らしい成績。ここできっちりと重賞4勝目を挙げ、秋のGI・JpnI戦線に進みたいところです。

ダートグレード競走3勝の実績はメンバーの中でも屈指。ダートグレード競走4勝目を狙うグリム(写真は19年名古屋大賞典優勝時、撮影:稲葉訓也)


 JRA勢のもう1頭の4歳馬・ロードゴラッソ。昨年12月に芝からダートに転向後、5戦3勝・2着1回【3-1-0-1】。3連勝でオープン入りし、3月のマーチSでは6着。中団後方からの競馬で、直線で差を詰め、1着サトノティターンとは0.3秒差と、初重賞挑戦で健闘。前走・大沼S(函館・L)は雨・稍重で逃げ馬には屈したものの、激しく競り合った2着争いでハナ差2着を死守。勝負根性があるところを見せてくれました。地方競馬への参戦は始めてですが、ダート転向初戦を左回りの中京コースで勝っており、ここも対応可能とみます。今回54kgというのも魅力。

ダートで3勝をあげているロードゴラッソ。地方競馬への参戦は初めてだが侮れない(写真は19年伊丹S優勝時、(c)netkeiba.com)


 テルペリオンは前走・スレイプニルS(東京・L)を2番手からの競馬で快勝。東京のダート2100mは盛岡の2000mに近い形態で、期待が高まるところ。こちらも今回54kgで、前走より3kg軽くなるのはプラス材料ですが、3走前54kgで臨んだ名古屋大賞典でグリムの5着。グリムとの差をどこまで詰められるかがカギとなります。

名古屋大賞典ではグリムと1.1秒差の5着。リベンジ誓うテルペリオン(写真は19年スレイプニルS優勝時、撮影:下野雄規)


 ノーブルサターンは昨年7月の安達太良S(福島・1600万下)を勝利して以降、2桁着順が続いていましたが、前走・アハルテケS(東京・OP)で後方から追い込んで3着と久しぶりに好走。3歳時には兵庫チャンピオンシップで2着という成績もあり、好機到来、復活の可能性も。昨年4番人気で2着のヨシオ、2016年5番人気で3着のマイネルバイカのように比較的人気薄のJRA馬が好走するケースが多く、この馬も見逃せない存在です。

ノーブルサターンは前走で古馬OP昇級後初めての馬券内。勢いそのままに重賞の舞台でも好走なるか?(写真は18年安達太良S優勝時、撮影:下野雄規)


 コパノチャーリーは45戦7勝【7-6-5-27】と経験豊富な7歳馬。これまで重賞では結果が出ていませんが、逃げて自分のレースができれば上位を狙うことも?!初めての盛岡コースで、変わり身に期待。

コパノチャーリーは重賞では結果が出ていないが、逃げて自分のペースに持ち込めるか(写真は19年川崎記念出走時、撮影:高橋正和)


 マーキュリーCは創設以来22回のうち地方馬の勝利は、1998年メイセイオペラと2015年ユーロビートの2頭のみ。JRA勢が断然の成績を残しており、地方勢には頑張ってもらいたいところですが、今回も大勢としてはJRA勢が力上位。

初めて地方所属馬でマーキュリーCを制したメイセイオペラ。後に地方所属馬として初めてGIフェブラリーSを制した(写真は99年フェブラリーS優勝時、撮影:下野雄規)


15年には大井のユーロビートが勝利。地方馬の活躍に期待したいところも、今年は中央馬が主役となりそう(写真は15年マーキュリーC優勝時、撮影:武田明彦)


【今回のイチオシ馬】
・グリム
実績的に負けられない戦い。ここを通過点としてGI・JpnIのビッグタイトルを狙いたい。

【気になる馬】
・ロードゴラッソ
ダート転向後まだ底を見せていないところが魅力。役者が揃った4歳世代のニューフェイスに期待。

今年もマーキュリーC当日の盛岡競馬場では、『ジャパンジョッキーズカップ2019』が行われます。トップジョッキー12名が「チームJRA」「チームEAST」「チームWEST」に分かれ、3つのレースでポイントを競う、白熱するチーム対抗戦!3連休最終日・海の日は、岩手競馬にご注目ください。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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