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【中京記念追い切り】やっぱり夏は牝馬!?

  • 2019年07月17日(水) 18時00分

牝馬の好調教が目立つが馬券的には...?


 今週で函館、福島、中京の開催が終了。その締めくくりとなる重賞が函館2歳Sと中京記念。2歳Sは北海道での追い切りなので、ここでは中京記念を取り上げています。ハンデ戦ということもあって、馬券的にも面白いような難しいようなメンバー構成です。

 ただ、追い切りを見ると、やっぱり「夏は牝馬」なのかなあと思うような、牝馬の好調教が見られました。ただ、馬券的には「坂路」なのが中京記念。どちらを選択するかは週末まで悩むとして、ここでは調教適性ではなく、個々の調教内容について、しっかりと解説したいと思います。

【中京記念/プリモシーン】

 美浦所属馬なので、本来なら当欄には登場しないはず。ですが、今回は栗東に滞在しているということで、この中間の追い切りもすべて自分の眼で見ることができました。500キロ前後の馬体重ということもあって、重さを感じさせるような馬体なのかなと思っていましたが、そんなことは全くなくて、レースでの印象通り、普段から機敏さを感じさせる雰囲気を出しています。

 1週前追い切りがCWでディロスとの併せ馬で素晴らしい動きを見せましたが、最終追い切りもCW。ここには福永祐一騎手が跨っての併せ馬でしたが、これまた素晴らしい走り。時計は6F78.7-5F63.7-4F49.6-3F36.7-1F12.5秒と速くて、申し分ありません。南Wが閉鎖になっている現状を思えば、いつもと変わらず、トラックのウッドチップ馬場で追い切れたという点もプラスでしょう。あとはこの時期ですから、時計の掛かる馬場になった時にどうかだけ。

プリモシーン

最終追い切りも素晴らしい動きを見せたプリモシーン(写真内)


【中京記念/ミエノサクシード】

 ヴィクトリアMではレコード勝ちの1着から0.6秒差。6歳ですが、まだまだ最前線で走れるところを見せた内容だと思います。ただ、同レースの2着馬とハンデ差が1.5キロしかない点に関しては、なかなか厳しい斤量という印象です。

 とはいえ、夏は牝馬と思わせてくれる毎週の追い切り。1週前も推進力があって、素晴らしい動きでしたが、最終追い切りも力強さがあるゴール前の走り。単走ということもあって、時計は6F85.5-5F68.0-4F52.5-3F38.0-1F12.4秒と遅くなりましたが、パワーという意味ではプリモシーン以上に評価したくなるところ。ですから、時計を要するような馬場状態なら、といったところもあります。

ミエノサクシード

力強い走りを見せたミエノサクシード


【中京記念/グルーヴィット】

 NHKマイルCでは本命を打ちました。結果は10着でしたが、直線で追うことができなかった状況を考えると、むしろ0.5秒差まで詰めているといった印象です。前走後は放牧に出ていて、栗東へ戻ってきたのが6月27日。そこから順調に追い切りが進められています。

 最終追い切りには松山弘平騎手が騎乗。松永幹夫調教師いわく「ほんとに調子がいい」という動きは、坂路4F52.2-3F37.6-2F24.0-1F11.7秒。前走時の最終追いも2F24.1秒と後半が速くて驚きましたが、今回はそれをさらに0.1秒詰めて、なおかつ最後は11.7秒でまとめています。冒頭にも記したように、調教適性は栗東坂路が上位ですから、週末の本命候補は間違いありません。

【中京記念/クリノガウディー】

 朝日杯FSでは自信の▲を打って2着。その後はシンザン記念を使うプランもありながらパスした現状を考えると、G1での激走で反動が出ていたのかも知れません。その後の3戦はすべて無印にさせてもらいましたが、今回は間違いなく印を打ちたくなる状況。

 その理由は坂路での1週前追い切り。この馬の場合、速い時計が出るのは当たり前ですが、2Fもしくは3F続けて速いラップを踏めるかどうかが好調のポイント。そういった意味で1週前は2F目から12.6秒を踏んで、その後は11.7秒、12.4秒と続けました。最終追い切りこそ、4F54.8秒と遅くなりましたが、すると1Fは11.5秒ととんでもなく速い時計。完全復調にはあと1本、追い切りが欲しいというのが個人的な印象ですが、上位争いできる状態だと思います。

【福島テレビOP/ボールライトニング】

 京王杯2歳Sを勝った後、降級してのオープン入り。ここ2戦は掲示板に載ることもできていないので、どうしても人気は落ちるでしょう。しかし、前走時の最終追い切りはいつもになく、速い4F時計を出しており、これが二桁着順の要因だと判断します。それだけに、今回も最終追い切りがひとつのポイントになると思っていました。

 その動きは4F52.5-3F38.3-2F24.8-1F12.2秒。これは1週前追い切りとほぼ同じ内容になります。休み明けでも動ける状態であることは間違いないと思いますし、先週の福島芝1800mは完全な差し馬場。その傾向が続くようなら、この馬の脚質と調教適性が嵌るかも知れません。

ボールライトニング

ボールライトニングは休み明けでも動ける状態


◆次走要注意

・7/13 3歳未勝利【オースミムテキ】(1人1着)

 坂路での動きからすれば、勝つのが遅すぎたくらい。ただ気性の難しさがあるので、今回のようにラチ沿いを走ることができたのは大きな勝因でしょう。最終追い切りが坂路で4F目最速ラップだったことも良かったと思いますから、この調教パターンが継続するようなら1勝クラスでも。

[メモ登録用コメント] [ダート短距離]最終追い切りが栗東坂路で4F目最速なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【アバンダンスシチー】
 当初は芝1600mデビューだったところを、芝2000mに変更しましたが、距離は延ばした方がいいタイプ。CWでの追い切りでは常に切れ負けするようなところがありますが、道中からある程度のラップで走れている点は高く評価できます。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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