▲今年で48歳、哲三氏と同期の田中勝春騎手が2015年以来の重賞V(撮影:武田明彦)
今週はマイスタイルに騎乗した田中勝春騎手をピックアップ! 先週から注目していたコンビ、そして今なお現役で活躍する同期の気迫のこもった勝利に、哲三氏も思わず昔を思い返し、貴重な競馬学校時代のエピソードや勝春騎手の人柄、今後に向けてのエールまで温かいメッセージがこぼれ出ます。もちろん、普段通りのレース分析も独自の視点からじっくり解説してくれます!(構成:赤見千尋)
理想の騎乗スタイルを崩してまでの勝ちへの執念
函館記念は1番人気だったマイスタイル&(田中)勝春が逃げ切り勝ち! 4コーナーで早めに動いたマイネルファンロンに一端は交わされましたが、直線渋太く伸びて差し返すという見ごたえたっぷりのレースでしたね。先週のこのコラムで注目コンビとして挙げていましたし、同期である勝春の4年ぶりの重賞勝ちということで、僕自身応援にも力が入りました。
■7月14日 函館11R(4番:マイスタイル)
今回のレースでは、最後に差し返したところに注目が集まると思いますが、その差し返す脚が使えたのは道中の運びの上手さだったのではないかと。ラップの刻み方もファインプレーと言えるようなタイムですし、最初のコーナーに入った時の抑え方、馬をコントロールするために出す扶助操作、随所に上手さが見られました。
勝春は技術の高いジョッキーですが、それだけではなくて、ずっとコンビを組ませてもらっているからこその部分もあったと思います。勝春もマイスタイルのことをよくわかっているし、馬自身も勝春のことをよくわかっているのではないでしょうか。オーナーや昆先生の考え方だと思いますが、長くコンビを組んで戦うというのは僕も好きなスタイルです。
さらに今回のレースは、細かいところを丁寧に積み重ねた上で、「絶対に勝つんだ!」という強い気持ちを馬に伝える、とても気持ちのこもった騎乗だったと思います。
騎手にはそれぞれに理想とする騎乗スタイルがあり、