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2019ホッカイドウ競馬開催終了

  • 2019年11月13日(水) 18時00分

売上げは約1.3倍増で閉幕、来季開催への期待


 去る11月7日(木)をもって、今年度のホッカイドウ競馬の全日程が終了した。自然災害(胆振東部地震)による開催休止に泣かされた昨年とは異なり、今年は非常に順調で、全80日間の開催を予定通り消化できたのは何よりであった。

 最終日となったこの日、門別競馬場は一時雨に見舞われたりもしたが、幸い天候は回復し、今年最後の生の競馬を見ようと、多くのファンが詰めかけた。入場人員は主催者発表によれば1472名。10月10日のエーデルワイス賞の日(藤田菜七子騎手が参戦)が1408名、10月31日の北海道2歳優駿の日が1103名だったので、この秋で最も多くの人々が集まったことになる。

生産地便り

道営記念当日のスタンド


 最終日は恒例の重賞二本立てで締めくくられる。第11Rは2歳牝馬オープンクラスによる「第7回ブロッサムカップ」(1700m、1着賞金250万円、ディスクリートキャット賞)、そして掉尾を飾るのは伝統の一戦である「第62回道営記念」(2000m、1着賞金1500万円)だ。

 午後8時。まず第11Rのブロッサムカップが発走時刻を迎えた。出走頭数は11頭。

 レースは集団中ほどでじっくり待機しながら機を窺っていたネーロルチェンテ(宮崎光行騎手)が、プリモジョーカー(岡部誠騎手=愛知)と並ぶようにして4コーナーを回ると、直線で一気に加速し、残り1ハロンで後続馬を引き離し優勝した。3馬身差の2着はレッドカード(井上俊彦騎手)、3着にはルナクレア(岩橋勇二騎手)が入り、上位を占めた各馬がそれぞれ8番人気、10番人気、9番人気だったことから、三連単は実に161万円もの高配当となった。1番人気モリデンリバーは6着、2番人気プリモジョーカーは4着で波乱の結果であった。

生産地便り

ブロッサムCを制したのは、中団から脚を伸ばしたネーロルチェンテ号


 ネーロルチェンテは父ベルシャザール、母アデュラリア(母の父クロフネ)という血統の2歳黒鹿毛牝馬。馬主は眞保榮稔氏、米川昇厩舎所属、宮崎光行騎手が騎乗。日高町・ナカノファームの生産馬。これで通算成績が10戦2勝2着1回3着2回、獲得賞金460万5000円となった。

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ブロッサムCの口取りの様子


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ネーロルチェンテ号、関係者の方々


 なおこのレースに騎乗した宮崎光行騎手は、今月24日に満53歳を迎える道営の大ベテランで、自身の持つ重賞勝利騎手の最高齢記録を“更新”した。デビューは1984年9月30日というから、昭和59年である。文字通り、昭和〜平成〜令和の三つの年号をまたいで乗り続けてきた名手である。今後の更なる活躍を期待したい。

 オーラスは道営記念。62回目となる伝統の一戦だが、今年は昨年の覇者であるスーパーステションが不在であったことから、各馬の実力が接近し、予想が難しくなった。エントリーは12頭。人気は、ヒガシウィルウィン(桑村真明騎手)の2.3倍を筆頭に、目下3連勝中のバルダッサーレ(笹川翼騎手=大井)が3.9倍、3歳馬リンノレジェンド(岡部誠騎手)が4.3倍、実績のあるオヤコダカ(石川倭騎手)が4.9倍と続く。ここまでが10倍を切る人気上位馬である。

 午後8時40分。道立富川高校吹奏楽部の奏でるファンファーレが場内に鳴り響き、スターターが壇上に立つ。各馬がゲートに収まり、いよいよ大一番がスタートした。

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道立富川高校吹奏楽部のファンファーレ


 レースは、スタート直後から終始リンノレジェンドが引っ張り、各馬がそれを負う展開となった。人気上位馬がリンノレジェンドの直後につけ虎視眈々と抜け出す機会を狙うものの、岡部誠騎手は冷静にレースを進めて行く。ついに直線を向いても先頭を譲らず、そのまま1着でゴール板を駆け抜けた。会心の逃げ切りであった。

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道営記念を制したのは、逃げ切り勝ちを決めたリンノレジェンド号


 2着は2馬身差でステージインパクト(宮崎光行騎手、8番人気)が入り、クビ差の3着がモズオトコマエ(吉原寛人騎手=金沢、6番人気)と、やや波乱の結果となった。

 メンバー中唯一の3歳馬リンノレジェンドは、8月14日大井の黒潮盃、10月6日盛岡のダービーグランプリを今回と同じ岡部誠騎手とのコンビで連勝しており、万全の態勢でこの大一番に臨んで、見事に古馬の追撃を一蹴した形だ。

 リンノレジェンドは父トビーズコーナー、母ピエールナオチャン(母の父ケイムホーム)という血統の牡3歳黒鹿毛馬で、馬主は林正夫氏。管理するのは林和弘調教師。浦河・(有)上山牧場の生産馬。通算成績を14戦5勝2着3回3着2回。獲得賞金は5227万円となった。

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道営記念、口取りの様子


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リンノレジェンド号、関係者の方々


 最終の道営記念時には、寒い中、名残惜しそうに埒沿いにズラリと熱心なファンが並んで声援を送っていた。全レース終了後はスタンド内にて所属騎手たちとの交歓会も行なわれ、今年のホッカイドウ競馬が無事に幕を閉じた。

 なお、今年度は冒頭でも記したように、全開催日を予定通り消化できたことと、好調なネット発売に支えられ、総売り上げは25年ぶりとなる330億8214万円に達し、昨年の約251億円から80億円近い売り上げ増を記録した。最終的な収支は、来年3月末の年度末まで待たねばならないものの、大幅黒字を計上するのは間違いなく、来年は更なる賞金と諸手当の増額が見込まれる。この大幅な売り上げ増を今後どう生かすのか、主催者の手腕が試されることになりそうだ。

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岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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