【東スポ杯2歳S】後のGI連対馬が14年連続誕生、出世レースの色合い濃く
注目馬揃いで、今年は“少数精鋭”の予感
創設された当時は単なる2歳重賞だったが、総合能力と将来性を問われる東京1800mとあって、どんどん評価が高まった。このレースの出走馬からは、もう14年間連続してのちのGI連対馬が生まれ、その数は24頭にも達している。
18年のワグネリアン、14年ワンアンドオンリー、12年ディープブリランテ、06年メイショウサムソンがこのレースを経由した翌年の日本ダービー馬であり、2着馬の08年スマイルジャック、10年ローズキングダム、14年イスラボニータ、17年スワーヴリチャードなどもこのレースの出走馬になる。
今年は少頭数だが、2歳戦が増えているためで、ワグネリアンが勝った17年も7頭立てだった。少数精鋭の年かもしれない。
ディープインパクト(全兄ブラックタイド)産駒の牡馬が計4頭もいて、みんな注目の人気馬になっている。
ラインベック(母アパパネ)は、初仔の全兄5歳モクレレ(2勝クラス)も、次週のジャパンC出走予定の全兄4歳ジナンボーも、故障などで2歳時には出走していない遅咲きタイプなので(ジナンボーが1戦だけ)、父母合わせGI 12勝の注目配合の3兄弟はまだみんな重賞未勝利だが、この馬はもう2戦2勝。全兄ジナンボーの全4勝がきびしく追う外国人騎手のケースなので、今回はたまたまの理由だが、W.ビュイック騎手への乗り替わりはマイナスではないだろう。同じような才能なら、ライバルより1戦多く実戦を経験している強みがある。
アルジャンナ(母コンドコマンド)は、母も、祖母Yearly Report(イヤーリーリポート)も北米のダート重賞勝ち馬。近親にこれといった著名馬はいないが、この馬は大跳び。そこで早々と東京へ遠征してきた。楽勝の新馬戦に大物ムードが漂っていた。
コントレイル(母ロードクロサイト)も、母方は米のダート血統で祖母FolkloreフォルクローレはBCジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬。ムーア騎手を配しての東京遠征は、ここで将来性を確認する意味があるのだろう。
馬券的な魅力は、リグージェ(父ブラックタイド、母マルティンスターク)。こちらの母方も元は北米育ちで、3代母ヨシオカザン(父エルギャロー)のころはスプリンター色が濃かったが、トニービン、シンボリクリスエスが配されて、今度はブラックタイド。もう中距離タイプだろう。新潟とはいえ、新馬で発揮した上がり33秒0には持続力もあった。ファミリーは、先週のエ女王杯で今回乗るマーフィーが騎乗したウラヌスチャームや、トゥザヴィクトリーの一族と同じ牝系になる。再鍛錬しながら、秋の東京を狙っていた。
牝馬ながら、あえて牡馬の注目馬の揃うここに出走してきたオーロラフラッシュ(父Frankel)は、もうここが4戦目。3代母Wedding Bouquetは、ジェネラス、藤沢和雄厩舎のタワーオブロンドン(2歳時に5戦消化)の祖母になるシンコウエルメス(藤沢和雄厩舎)の半姉という名牝系。どんなタイプに育つのか注目したい。