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【AJCC・東海S追い切り】実力馬が集結した東西2重賞の追い切りチェック!

  • 2020年01月22日(水) 18時00分

通常とは異なる馬場状態が鍵になるか


 2020年のスタートが日曜日、月曜日の開催だったこともあり、先週まで火曜日全休が続いていました。今週になって、ようやく通常通りの月曜日全休。やっと普段のリズムを取り戻すことができそうなのと、今週に関しては1日分余裕があるような気がして、ちょっとホッとしています(笑)

 1月21日は久しぶりに坂路小屋に行くことができましたし、やっぱりこの景色も必要だなあと痛感。毎日の積み重ねと調教データの分析の融合で、しっかりと今週末のレース予想も皆様のお役に立てるものにしたいと思います。ただ、馬場状態に関しては、中山の芝も京都のダートも通常とは少し違う印象。このあたりをどう予想に組み込んでいくかでしょうね。

【AJCC/ステイフーリッシュ】

 勝ち鞍こそ、京都新聞杯から遠ざかっていますが、重賞で2着3着と堅実な成績を残しているのは確か。ただ、前走は不利を受けた状況での惨敗。ひょっとしたらこれが影響しているのかなと思った1週前追い切りの動きだけに、今回は評価に悩んでいます。

 坂路で新馬との併せ馬でしたが、これを追いかけてゴール前では遅れ。追いつくこともできなかったあたりに全体的な鈍さを感じました。過去に1週前追い切りが坂路で併せ遅れは共同通信杯、大阪杯といった例がありますが、いずれも惨敗。当時とは違う、今回はGIじゃないという解釈もできるかも知れませんが、ここをどう判断するかでしょう。

【AJCC/スティッフェリオ】

 有馬記念はハイペースを先行しての惨敗。致し方ないところがあったかなと思いますが、やっぱり狙うべきはGIじゃなくて、楽逃げが望める条件。今回もひとり旅が可能なメンバー構成になっていますが、これに関して「別に逃げないといけないわけじゃないんだけど」とは音無秀孝調教師。

 「福島記念にしても小倉大賞典にしても好位置からレースできているので、逃げにこだわるわけじゃない。ただ、中山に関してはオールカマーと同じ舞台なのだから、あんな競馬ができた方がいいかもね」とも。あとは状態ですが、絶好調時は1週前追い切りか最終追い切りで4Fが51秒台、2Fが24秒台をマークする馬ですが、今回は1週前が4F52.6秒、2F25.3秒。最終追いが4F52.4秒、2F25.1秒。このあたりの数字を見ると、絶好調というところには少し足りないのかも知れません。

【東海S/インティ】

 昨年の東海S覇者ですが、今年は舞台が京都。しかも斤量が58キロですから、みやこSの惨敗が思い出されるという方もいるでしょう。しかも今開催の京都ダート1800mは差せる傾向もあり、前走チャンピオンズCでの3着があっても、ここで取捨に迷う方も多いはず。

 レース設定という意味では私も全く同じことを思いますが、状態に関しては、みやこSとは違います。1週前にCWで併せ馬を行って遅れていたのに対して、今回の1週前追い切りはCWで単走。この動きはチャンピオンズCの時と同じですが、むしろ6F83.4〜5F68.3〜4F53.8〜3F39.3〜1F11.7秒で終いのしっかり度合いは今回の方が上。レース間隔があいていますが、丹念に仕上げてきました。最終追い切りが坂路4F51.8秒というのは、昨年の東海S1着時の4F51.9秒に近い数字ですが、気になったのは4F目12.9秒。少しラチを頼るような感じでの走りになったところが気になります。

インティ

丹念な仕上げで好状態のインティ


【東海S/スマハマ】

 逃げにこだわる脚質ゆえに惨敗したみやこSでしたが、前走はゴール前で差されたものの、本来のレース内容で2着に巻き返しました。そこから中3週、3歳時には500万下(現1勝クラス)を勝った京都ダート1800mという舞台ですから、特に問題ないと思います。

 ただ、気になるのは1週前追い切りの坂路。名鉄杯、ベテルギウスSはともに1週前に坂路で併せ先着。それが今回は遅れています。しかも4F目が13.5秒と非常に時計を要して遅れているという点が気になります。前記2レースでは12.4秒、12.6秒といったラップでまとめているだけに、そことの比較で1秒は遅くなっています。最終追い切りは坂路で終い重点の4F目12.3秒でしたが、これは4F56.3秒という遅い時計と関係しています。この内容では好走パターンと判断することはできません。

【東海S/エアアルマス】

 ダートへ転戦して3連勝したかと思えば、前走は惨敗。なかなか難しさを感じさせる馬ではありますが、調教内容を見れば、前走はひょっとしたら凡走するかもという可能性はありました。というのも、芝を走っていた頃も最終追い切り坂路で4F時計の自己ベストを更新したクリスマスキャロル賞が惨敗。武蔵野Sも最終追いで4F時計の自己ベストを更新する時計でした。

 さらに2レースの惨敗に共通するのが、3F目の11秒台ラップ。ここで一気に脚を使うような走りをしてしまうと実戦では結果が出ていません。そこに注視して、今回の最終追い切りを見ていましたが、3F目12.4秒からの4F目12.0秒。松山弘平騎手が跨っていましたが、本当に素晴らしい脚の使い方。この動きならきっちり好走してくれると思います。

◆次走要注意

・1/19 3歳新馬【タマモマクシム】(3人7着)

 半兄タマモメイトウが中山芝1200mの2勝クラスを勝ちましたが、この血統はいかに脚をためて、それを最後の直線で使うかが鍵。今回はデビュー戦ということもあり、4コーナーでは外に張ってしまい、それどころではない競馬。慣れた次走はもう少し違う結果が期待できるはずです。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・若駒S【ラインベック】
 武豊騎手が騎乗して、CWでの3頭併せでしたが、ゴール前は無理せずに肩ムチで反応を確かめる程度。友道康夫調教師がジョッキーに確認したところ「のめっていたので無理しなかった」とのこと。それよりも追い切り後にジョッキーからディープインパクトに似た走りをするというジョッキーコメントが出たところがポイント。今回はどんなレースをしてくれるか楽しみです。

ラインベック

無理せず反応を確かめたラインベック(写真奥)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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