スマートフォン版へ

【中山記念・阪急杯追い切り】春GIを見据えた調教をどう判断するかが重要なポイント!

  • 2020年02月26日(水) 18時03分

休み明けっぽくない走りに“今回は”と期待させる


 今週は3場とも開催場所が変更。中山、阪神、中京となります。すべての競馬場に共通するのが『最後の直線に急坂がある』ということ。これが先週までの開催競馬場とは大きく違う点になるでしょうか。そのあたりは調教適性で、どんな調教内容がベストなのか、ウマい馬券でしっかりと判断していきたいと思います。

 さて、今週は中山記念と阪急杯。どちらも春のGIに向けて注目のレースですが、中山記念に関しては、ここをひと叩きして、という印象の強い調教内容ばかり。このあたりをどう判断するかがポイントになりそうです。

【中山記念/ラッキーライラック】

 昨年は秋華賞から休み明けというローテーションで2着したレースですが、今年は香港ヴァーズからの休み明け。レース間隔でいえば、7週くらい違うので、そこに追い切り本数の違いが出ることはさほど不思議ではありません。ちなみに昨年は坂路とCWを併用して、8本。1月末から時計を出し始めていました。

 今年は2月5日から時計を出していますが、それが先週までで都合4本。最終追い切りを含めても5本ですから、3本少なくなりました。だからといって、動きに重さを感じることはありませんし、むしろ2月20日の1週前追い切りは迫力満点の併せ馬で昨年以上と思ってもよいくらい。主観的には評価したいところですが、客観的には冷静な判断が必要かも知れません。

 最終追い切りはM.デムーロ騎手が跨って、CWでの併せ馬。先行したダンスディライトに楽に追いつくと、あとは突き放す一方。数字は6F81.8〜5F66.9〜4F52.1〜3F37.6〜1F12.2秒とこの休み明けでは一番速い6F時計になりました。動きには余裕があり、この最終追いは高く評価できます。

ラッキーライラック

動きに余裕があった最終追い切りは高く評価できる(写真奥)


【中山記念/インディチャンプ】

 GIホースになって迎える5歳。休み明けの芝1800mということだと毎日王冠になりますが、当時は坂路で7本の追い切りを消化していました。同時期比較という意味では、東京新聞杯。こちらも坂路で7本の追い切りを消化しています。

 今回は最終追い切りを含めて5本。本数的には過去の休み明けよりも少なくなっています。しかし、1週前追い切りはサンライズノヴァが全く追いつくことができないスピードで圧倒。4F50.2秒は自己ベストを更新していますから、本当に素晴らしい動きだったと思います。最終追い切りも4F51.5秒と速い時計をマークしつつ、2F24.3秒と終いもしっかり。本数はともかく、動きは文句ありません。

インディチャンプ

1週前にはサンライズノヴァが追いつけない動きを見せたインディチャンプ(2月25日撮影)


【阪急杯/ダイアトニック】

 個人的にマイルCSの敗因はローテーションだと考えているだけに、前走のようにレース間隔をあけることがパフォーマンス発揮には必要な気がします。そういった意味で今回も中7週、しかも連対を外したことがない芝1400mともなれば、それだけで評価の対象となることは言うまでもありません。

 これが走りやすい間隔なのか、1週前追い切りも最高。坂路で前にスワーヴシャルルを見る形でしたが、4F50.4秒、2F23.6秒、1F11.7秒。ラップを見ていただいて分かるように、ゴールへ向かって加速しています。ゴールでは前に追いついていませんが、もっと早目に交わしにいけば、先着した雰囲気があるゴール前でした。この時点で坂路4F時計の自己ベストを更新しています。

 最終追い切りは2回目のハローが終了した時間帯でしたが、単走で4F51.9秒。2F24.3秒、1F12.0秒は先週よりも時計が遅くなりましたが、余裕ある走りは今週の方が印象的。状態に関してはほぼ完璧といった印象があります。

ダイアトニック

状態に関してはほぼ完璧といった印象のダイアトニック(2月25日撮影)


【阪急杯/フィアーノロマーノ】

 昨年は3月末のダービー卿CTで重賞制覇。休み明けでしたが、その1週前追い切りが坂路で4F50.9秒、2F23.4秒、1F11.5秒という、とんでもない時計をマークしたことは今でも記憶に残っています。それだけに注目したのは今回も1週前追い切りにて同じ休み明け、同じ季節でどんな動きをするのか。

 2月19日の1週前追い切りも坂路。4F50.9秒、2F23.3秒、1F11.6秒は昨年とほぼ同じラップの踏み方。本当に申し分ありません。2月12日には坂路4F49.7秒をマークしていますが、これは自己ベストを更新しています。すでに前走で芝1400mの実績はありますが、今回はよりこの距離にフィットした仕上げといった感じ。最終追い切りは4F51.5秒で2F23.9秒。ラストも1F11.8秒と動いており、追い切りは文句なし。

フィアーノロマーノ

坂路で自己ベストを更新、申し分ない動きを見せるフィアーノロマーノ(2月11日撮影)


【阪急杯/クリノガウディー】

 前走はウマい馬券でも本命を打ちましたが、横山典弘騎手が素晴らしいエスコートで3着という結果。あの結果から距離を短縮してくるのは個人的にも賛同できますし、ひょっとしたらこの距離がベストという可能性もあります。

 ただ、気になるのは中2週のローテーション。過去にはNHKマイルCで経験していますが、この時が惨敗。その理由は追い切りの軽さだったと考えています。レース間隔が詰まることで軽めの調整に済ませるのはある意味当然ですが、この馬の場合はしっかり時計を出す方が好走すると思います。ちなみにNHKマイルCの最終追い切りは坂路4F53.4秒、2F25.0秒。前走は坂路4F52.7秒、2F24.1秒。全体はともかく、2F時計がひとつポイントだと考えています。

 最終追い切りは坂路で単走。1回目のハローが終了した直後の時間帯でしたが、森裕太朗騎手が跨って、4F51.8秒、2F23.6秒で1F11.7秒の最速ラップ。動き自体は力強かったですし、時計的にも好走パターン。レースでどんな走りを見せてくれるか楽しみです。

クリノガウディー

力強い動きを見せたクリノガウディー


◆次走要注意

・2/23 フェブラリーS【タイムフライヤー】(10人5着)

 この舞台はダートの中でも最適だと思いますし、最終追い切りもしっかりやったことが功を奏した感じ。調教的には速い時計を出す最終追いで、次走も結果を出してくれそうな気がします。

[メモ登録用コメント] [ダート中距離]最終追い切り馬場問わず速い4F時計なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・中山記念【ペルシアンナイト】

 先週に引き続き、CWで池添謙一騎手が跨っての併せ馬。道中の走りっぷりからして、休み明けっぽくないですし、最後の直線ではすぐに手前を替えます。その分だけ、素早い加速ができて、あっという間に相手を突き放します。休み明けは走らない馬ですが、“今回は”と思いたくなります。

ペルシアンナイト

休み明けっぽくない動きに今回は思わせるペルシアンナイト(2月25日撮影)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング