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【阪神牝馬S】桜花賞を展望する最高のサンプル

  • 2020年04月10日(金) 18時00分

ベストの距離と有利な斤量であの馬に期待


 2006年からこの日程(桜花賞の前日)になった阪神牝馬Sは、ずっと距離1400mで行われていたが、2016年から桜花賞と同じ1600mになった。

 大半の馬が3歳の桜花賞より軽い負担重量54キロの別定戦。ただし、昨年の桜花賞はグランアレグリアが桜花賞レコードで圧勝して1分32秒7。2018年はアーモンドアイが猛然と追い込んで1分33秒1の桜花賞レコード。古馬の阪神牝馬Sよりはるかに速い時計で勝っている。

 今年は両日ともに「良馬場」が予測される。阪神牝馬Sによって桜花賞のだいたいの勝ち時計が推定できるうえ、多頭数の阪神1600mレースのイメージも鮮烈になり、最高の参考レースになる可能性もある。

 流れが異なるので簡単に比較はできないが、桜花賞のタイムが阪神牝馬Sのそれより速いようだと、ここ2年のアーモンドアイ、グランアレグリアのように、並の桜花賞馬ではなく古馬GIのエース級に育つことになる。

 4歳シゲルピンクダイヤ(父ダイワメジャー)は、昨年の桜花賞を1分33秒1(0秒4差)で2着している。同じ4歳ダノンファンタジー(父ディープインパクト)も、1分33秒1(0秒4差)で4着だった。同じく4歳ビーチサンバ(父クロフネ)も、1分33秒2(0秒5差)の5着に好走している。

 人気との兼ね合いという観点だけではなく、ビーチサンバはダノンファンタジーの評価を大きく高めることになった昨秋のローズS1800m(1分44秒4のコースレコード)で、早め早めに動いて4コーナー先頭だった。最後は待って好位から伸びたダノンファンタジーに「クビ」だけ差されてしまったが、1600m通過は自身のマイルの最高時計1分33秒2を大きく上回る「1分32秒5」だった。

 今回はわずか1キロとはいえ、ダノンファンタジーより軽い54キロ。ベストの距離と思える阪神1600mなら、ダノンファンタジー、さらにはシゲルピンクダイヤとも能力互角だろう。絶好調の5歳サウンドキアラ(父ディープインパクト)を加えた3頭が強敵。

 穴馬はディメンシオン(父ディープインパクト)。昨秋、飛ばして逃げ日本レコードを樹立したトロワゼトワル(父ロードカナロア)の京成杯AHの0秒6差2着馬だが、あれは特異なペース。ふつうの流れのマイルでの能力は人気馬に見劣らない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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