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【日本ダービー・目黒記念・葵S】世代の頂点を決める一戦!!有力馬の最終追い切りをチェック!

  • 2020年05月28日(木) 18時00分

今回も完璧な調教ができている一頭とは…


 今週の栗東。26日夕方に滝のような雨が降ったので、27日の追い切りには相当な影響を与えるだろうと思っていましたが、馬場表記を見ると「良」。これについて不思議に思ったので、馬場造園課の方に電話でお話しを聞いてみると、トレセン場内にある降水量の計測器は7mmだったとのこと。坂路馬場のそばにある計測器の数値なので、馬場状態としては良ということで間違いないと思います。

 ただ、5月16日から5月19日の降水量が4日間で66.5mmと多く、坂路、CWともに一時期よりも時計を要する馬場状態となっているようです。そういった意味では全体時計やラップの踏み方が優秀な馬については純粋に数字通りの評価をすべき馬場なのかなという気もします。

【葵S/ビアンフェ】

 今回は函館2歳S以来となる、スプリント戦。これに加えて、最終追い切りは坂路4F51.1秒と自己ベストを更新する時計をマーク。この数字自体、5月27日の栗東坂路で二番時計になりますから、スピード全開、といった感じで注目を集めることになるのは間違いないと思います。また、これだけ速い時計を出しながら、2F24.3秒でまとめてくるあたりがこの馬の非凡な脚力だと思います。

 ただ、冷静にデビューからの馬体重を見た時に前走時で48キロ増えています。それだけ成長していると見るのか、スピードはあるけど、やっぱりパワータイプと見るのか。個人的には後者。そもそも追い切った時間帯は馬場が相当踏み荒らされているはずですから、かなりパワーが必要だったはず。そこでこれだけ動くのですから、他馬がスピードを出せない馬場で押し切れるパワーが武器だと思います。あとは馬体重もどれだけ増えてくるか気になるところです。

【目黒記念/タイセイトレイル】

 休み明けにしては、きっちりと乗り込んだという印象のあった前走メトロポリタンSが3着。2週前、1週前にCWで追い切った効果もあったように思います。それだけに中2週の今回がどのような調教内容になるのかは注目していました。

 1週前追い切りは金曜日に行っており、これは矢作芳人厩舎のいつものパターン。そして最終追い切りが坂路での併せ馬でしたが、これがジンゴイストに遅れる内容。遅れること自体は決して珍しくはありませんが、中2週の最終追い併せ遅れはJCと同じ。当時は雨馬場で力を出せなかったという見方もできますが、やっぱり気になる遅れではあります。

【日本ダービー/コントレイル】

 ここまで無敗なので、調教パターンとしても、こんな調教だと凡走するというものはありません。ゆえに、勝ち続けている以上はこれまでと同じパターンで調教することが連勝を伸ばすと判断するのが妥当でしょう。そういった意味では今回も完璧な調教ができていると思います。

 2週前追い切りは坂路で併せ馬に先着。1週前追い切りはCWで併せ馬に先着。そして最終追い切りは坂路で単走。このパターンは前走皐月賞と全く同じです。そして時計的には今回の方がどの追い切りに関しても優秀。ということは前走以上に走れることを示した調教内容といってよいでしょう。

【日本ダービー/ヴェルトライゼンデ】

 前走は最終追い切り場所を初めてCWにしましたが、結果的にはそれまで続けていたパーフェクト連対を外す結果に。敗因はそれだけでないと思っていますが、調教パターンとしては、やはり最終追いは坂路がベストなのかも知れません。

 今回は坂路に戻した最終追い切り。アイスバブルを追いかける内容でしたが、これを突き放す先着。個人的には追い出してからも右手前を持続する走り方が理想でしたが、今回は左手前で伸びています。これできっちり4F目最速ラップを踏んでいるので、それはそれでよいのかなと思いますが、テンが1F目14.7秒、2F目14.9秒とちぐはぐラップになっている点は気になります。

【日本ダービー/アルジャンナ】

 最終追い切りが坂路というのは、きさらぎ賞と毎日杯と同じ。中間も含めて、CW追い切りがないという点でもその2戦と同じです。動き自体に関しては、レースガーデンを追いかけて同入という内容。前半をゆっくり進めて、後半2Fが12.4秒の持続ラップで24.8秒なら決して悪くないと思います。

 ただ、東京スポーツ杯2歳Sでコントレイルの2着だった時は最終追い切りがCW。当時は週中CW、週末坂路という併用調教だっただけに、そのパターンが3歳になって変化したところは気になります。ここ2戦も重賞で3着以内に好走していると見るのか、1番人気だったのに勝てなかったと見るのか。この馬のポテンシャルと調教内容の変化から、個人的には後者と判断しています。

◆次走要注意

・5/24 オークス【チェーンオブラブ】(17人6着)

 後方待機策から、最後の直線は大外。これが決まる馬場状態ではなかったため、これが精いっぱいの6着ですが、左回りだと本当にいい脚を長く使います。というよりもじっくりと脚を使うことがベストだと思いますし、今回は素晴らしい調教内容が結果に表れたと思います。

[メモ登録用コメント] [芝1800m以上]1週前追い切り、最終追い切りともに併せ馬先着なら勝ち負け。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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