スマートフォン版へ

【安田記念・鳴尾記念】5週連続府中GIの締めくくり、春のマイル王決定戦!有力馬たちの追い切り評価は?

  • 2020年06月04日(木) 18時00分

素晴らしい推進力を見せた馬とは…


 今週は安田記念。やっぱり注目はアーモンドアイが8冠を達成するか否かというところだと思います。今回のポイントは初めての中2週だと思いますが、これに関しては、遅い時計でも1週前追い切りを5月28日に行っているという時点で心配することはないと思います。むしろ、最終追い切りの動きを見ていると、前走よりもフットワークの安定感が増しており、一度レースを使えたことが大きなプラスになっているような気もします。

 そうなれば、8冠濃厚といったところですが、今回は相手が絶好調揃いというのが私の見立て。このあたりは重賞捜査網やウマい馬券でしっかり解説したいと思いますので、どうぞご覧ください。そして、見応えある一戦に期待しましょう。

【鳴尾記念/ラヴズオンリーユー】

 前走は2歳以来のマイル戦、しかもドバイ遠征中止後の一戦ということで、厳しい条件でした。よって、7着という結果はさほど気になりません。それに比べると、今回は牡馬相手とはいえ、54キロで忘れな草賞で勝利経験がある阪神芝2000m。陣営が負けられないと意気込むのは当然だと思います。

 しかし、今回は中2週で最終追い切りのCWでの単走が1本だけ。しかも5F70秒を超える遅い時計ですから、さすがに調教が軽すぎる気がします。前走の馬体重が-6キロ。映像で見た馬体も少し細く映りましたから、馬体的なことも考えての調教内容ではないかと思います。ちなみに中2週は白菊賞で経験済みですが、この時は矢作芳人厩舎の中2週のパターンである、1週前金曜日にCWで追い切り、最終追いは栗東坂路で4F時計52.0秒、自己ベストを更新していました。

【安田記念/インディチャンプ】

 今年初戦の中山記念は追い切り5本、併せ馬は最終追い切りの1本だけ。明らかに香港遠征に向けた叩き台といった仕上げでした。前走は遠征を中止して、矛先を変更したレースでしたが、乗込量が豊富。それゆえに昨年と違う結果になったような気もしますが、調教量としては昨年とあまり変わりありません。

 にもかかわらず、強いレース内容だったのは昨年よりも進化しているからだと思います。ゲートも安定してきましたし、折り合い面でも同じ。今回の最終追い切りでは上体が安定して、脚捌きは機敏。時計を要する馬場状態だったこともあり、最後は12.7秒止まりでしたが、しっかりと動けています。最終追いの動きだけを昨年と比較しても、今年の方がスピードが出ている印象を受けるだけに、昨年以上のレースを期待していいと思います。

【安田記念/ダノンプレミアム】

 昨年の安田記念は惨敗しましたが、天皇賞秋、マイルCSは連続2着。特にマイルCSはレース間隔が詰まっていたこともあってか、初めて最終追い切り場所を栗東坂路というパターンで行っての出走でした。前走は豪州遠征でしたが、調整にも積極的に栗坂を利用していました。

 そんなこともあってか、今回も最終追い切りは栗坂。4F52.3秒はマイルCSの最終追いでマークしたこれまでの自己ベスト4F53.4秒を大きく上回る時計となりました。やればこのくらいのスピードは楽に出せるタイプだと思いますが、やっぱり本質はマイラーなのでしょう。遠征明けですが、5月24日の左回りCWで6Fから時計を出していますし、4本の追い切りの負荷はそれぞれが強い内容。少し詰め込み感がありますが、最終追いでゆったり走れていたところを見ると、馬自身に負担となっていることはなさそうです。

【安田記念/アドマイヤマーズ】

 ドバイ遠征が中止になり、仕切り直しとなる一戦。もともとひと叩きした方がいいタイプだとは思いますが、それを見越して、今回は5月はじめから栗東で時計を出すパターンで調整してきました。ゆえに調教欄には追い切りがたくさん。かなり乗り込まれています。

 1週前追い切りはCWで川田将雅騎手が跨っていましたが、この動きが抜群。尻尾が胴体と水平以上に上がっていましたから、トモの入りが相当深い動きができていることを示しています。最終追い切りは単走でしたが、動き自体は1週前追いと同様に素晴らしい推進力。あとは高速決着に対応できるかどうか、そこに尽きると思います。

【安田記念/ダノンスマッシュ】

 ここ2戦の流れを見ると、高松宮記念は中2週のローテーションで2本のCW追い切り。これまでとパターンの違う調教内容が少なからず影響して惨敗という形になったと考えています。調教パターンを栗東坂路に戻した前走は逃げるという選択肢も功を奏して快勝。これが左回りでの初勝利という結果にもなりました。

 今回は中2週ですが、1週前追い切り、最終追い切りともに坂路。最終追いは4F目が最速になるラップを踏めており、ローテーションを考慮した上で最善の調教内容を施してきたように思います。あとは1Fの距離延長をどのようにこなしていくのか。大きな課題ですが、その準備は整っている気がします。

◆次走要注意

・5/31 日本ダービー【ブラックホール】(17人7着)

 前走から美浦坂路での追い切り中心の調整に替えていますが、その効果なのか、右手前での走りが鋭くなっています。結果的にはこの着順が精一杯ですが、この感じなら、アルゼンチン共和国杯あたりで重賞2勝目というイメージも見えてきました。

[メモ登録用コメント] [芝2000m以上左回り重賞]最終追い切り美浦坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング