梅雨入り時期での開催となるエプソムカップ。

　過去10年で勝ち馬は1〜5番人気のみと、堅いレースになっているが、近年の激走馬に脚質の変化が見られています。また、今週は木曜から土曜にかけての雨により、時計のかかる馬場となる見込み。ここでは激走の脚質分析や気候成績を中心に、注目馬を抽出していきます。

・過去10年の人気別成績
・1番人気馬【4・2・1・3】
・2番人気馬【3・1・1・5】
・3番人気馬【0・3・0・7】
・4番人気馬【1・2・1・6】
・5番人気馬【2・0・1・7】
・6番人気馬【0・1・2・7】
・7番人気〜【0・1・4・98】

・過去10年の気候
暑：5回
暖：4回
涼：1回

　1番人気は4勝を含む6連対、複勝率70％と信頼度は高いが、直近3年は勝ち星から遠ざかっている。2番人気も3勝を挙げており、1〜2番人気がどちらも圏外になったのは13年のみとなっている。

　激走馬は過去10年で8頭。「1〜5番人気の馬2頭」＋「激走馬1頭」のパターンが8度あり、2〜3着に食い込んでくる激走馬の見極めが重要となる。

〇注目ポイント

1.10〜14年までは差し馬の激走も見られたが、16〜19年は激走馬3頭中3頭が、先行・逃げ馬だった。

　勝ち馬については過去10年で逃げ馬は1頭しかおらず、10頭中8頭が4コーナー6番手以内となっている。人気馬は好位からの差し馬、激走馬は先行・逃げ馬に注目。

・激走馬
10年　9人気　3着　キャプテンベガ　　　10 5 2
11年　6人気　2着　エーブチェアマン　　13 14 15
12年 15人気　3着　マイネルスターリー　 3 2 1
13年　7人気　3着　サンレイレーザー　　 5 4 5
14年　8人気　3着　ダークシャドウ　　　 8 10 10
16年　6人気　3着　マイネルミラノ　　　 1 1 1
17年　6人気　3着　マイネルハニー　　　 1 1 1
19年　7人気　2着　サラキア　　　　　　 1 1 1

・勝ち馬
10年　1人気　1着　セイウンワンダー　　5 8 6
11年　1人気　1着　ダークシャドウ　　　5 5 4
12年　1人気　1着　トーセンレーヴ　　　2 3 3
13年　4人気　1着　クラレント　　　　　2 2 2
14年　2人気　1着　ディサイファ　　　　4 8 9
15年　2人気　1着　エイシンヒカリ　　　1 1 1
16年　1人気　1着　ルージュバック　　　8 9 9
17年　5人気　1着　ダッシングブレイズ　5 2 3
18年　2人気　1着　サトノアーサー　　　3 6 6
19年　5人気　1着　レイエンダ　　　　　2 2 2

2.連対馬20頭中10頭が暑〜酷暑で2勝以上または馬券内70%以上。また、その内6頭が寒で未勝利。

10年 1人気 1着 セイウンワンダー
　　　　　　　 (暑〜酷暑[2・1・1・0]　寒[0・0・0・2])
　　 3人気 2着 シルポート
　　　　　　　 (暑〜酷暑[2・1・1・7]　寒[0・1・1・3])
14年 2人気 1着 ディサイファ
　　　　　　　 (暑〜酷暑[1・3・1・1]　寒[0・1・2・3])
　　 4人気 2着 マイネルラクリマ
　　　　　　　 (暑〜酷暑[2・2・2・1])
15年 2人気 1着 エイシンヒカリ
　　　　　　　 (暑〜酷暑[2・0・0・0]　寒[0・0・0・1])
　　 1人気 2着 サトノアラジン
　　　　　　　 (暑〜酷暑[4・0・0・2]　寒[0・2・2・1])
16年 3人気 2着 フルーキー
　　　　　　　 (暑〜酷暑[4・1・0・2])　　
17年 1人気 2着 アストラエンブレム
　　　　　　　 (暑〜酷暑[2・1・0・0])　
19年 5人気 1着 レイエンダ
　　　　　　　 (暑〜酷暑[1・1・0・0]　寒[0・0・0・0])
　　 7人気 2着 サラキア
　　　　　　　 (暑〜酷暑[1・2・0・1])

3.稍重〜重となった18〜19年の馬券内6頭中4頭が準OP以上の稍重〜不良で連対の実績あり。

〇注目馬

●穴
・アンドラステ
デビューからの2戦は、どちらも逃げきっての2連勝。
暑[1・1・0・0]、稍重〜重[3・0・1・0]と、気候・馬場適性に注目。

・マイネルファンロン
稍重〜重で2勝の実績あり。昨年の湾岸Sは逃げて1着。

●人気
・アイスストーム
前走メイSは9番手から差して1着。
寒[0・0・1・3]に対し、暖〜酷暑[4・0・1・2]と優秀。

・レイエンダ
昨年同レースを稍重で1着。
暖〜暑[3-2-1-2]。馬場・気候ともに得意な条件になる可能性あり。

・ピースワンパラディ
前走、稍重の湘南Sは好位から差して1着。稍重〜不良[2-1-1-0]。


■プロフィール
三宅誠(みやけまこと)
　季節馬の激走を体系だって明らかにした気象予報士。レース気温のデータベースを構築、データ分析によって穴馬を導き出すまったく新しい競馬理論。独自のデータを持つ強みを生かして、『競馬王』「激走判定リスト」で推奨馬の年間回収率100％超(14年度)を達成した。『競馬王』で連載中、公式ホームページは「競馬天気」。

　独自データベースは馬場レベルを7分類、気候レベルを5分類。馬場：良(水少/水多)、稍重(水少/水多)、重(水少/水多)、不良。気候：寒、涼、暖、暑、酷暑。

「スポーツ気象」の分野でパイオニア的な存在、スポーツ中継で新しいコンテンツを生み出し、テレビ素材として幅広く浸透している。