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【宝塚記念】春のグランプリ決定戦!!有力馬の追い切りを徹底解説!

  • 2020年06月25日(木) 18時00分

近走とは違う走りを期待してもよい一頭とは?!


 今週は宝塚記念。ファン投票の1位と2位がいずれも10万票を超えており、有効投票数は前年比120%超え。今年の宝塚記念はいかにファンの想いが詰まっているかを示しています。1位アーモンドアイの出走こそありませんが、2位ラッキーライラックは10万票を超える支持を受けての出走。これには松永幹夫調教師も「感謝して、ファンの声援に応えることができるように頑張ります」と話されていました。

 ただ、今週は今日から週末にかけて雨が降りそうな空模様。馬場状態次第では馬券的に面白そうな結果が期待できるかも知れませんし、このあたりについてはウマい馬券でじっくりと。

 そして、先週もお伝えした栗東トレセンの馬場状態。馬場造園課の方からいただいた情報では、CWの馬場工事は1400m(7F標識付近)から900mまでがウッドチップ入れ替え済み。ですので、ちょっとずつ追い切りにも影響を与えてくる箇所まで進んできています。ここ1週間の降水量は18日が19.5mm、19日が61.5mmということですが、週明けから今週の水曜日にかけては雨が降っていないので、追い切りに与えた影響はほぼないといってよいと思います。

【宝塚記念/サートゥルナーリア】

 前走金鯱賞は東京競馬場での2敗もあり、左回りうんぬんも心配されましたが、非常に強いレース内容。これで回りは無関係ということになったと思いますが、それ以上に走りのバランスが良くなってきたような気がします。それを実感したのはC.ルメール騎手が跨ったCWでの1週前追い切り。本当に安定したフットワークでトーセンカンビーナを一瞬で抜き去っていきました。

 あの動きを見せられては本命も揺るぎないと思いましたが、ちょっと不安だったのは最終追い切り。坂路自体は5戦4勝ですから、全く問題ありません。ただ、調教VTRで確認すると手前を替えるシーンで乗り手との折り合いが悪かったこと、それ以降の右手前での走りのバランスが悪かったこと。ここは気になります。

【宝塚記念/ラッキーライラック】

 前走から併せ馬というよりは前にいる目標を見ながら追い切りというパターンになっていて、1週前追い切りも最終追い切りもその形でした。1週前は全体時計が速くなったこともありますが、最後は目一杯に追われてといった感じ。帰厩して4本目の追い切りですから、やっぱりこのくらいになるよなという感じでした。

 しかし、最終追い切りは最後の直線に向いてからの脚色が余裕。前方の目標をいつでも追い抜けそうな手応えでしたし、だからといってムキになるようなところもありません。さすが最終追いできっちり照準を合わせたといった感じがします。

【宝塚記念/クロノジェネシス】

 帰厩した時の斉藤崇史調教師のお話しだと、調教内容が緩くなるかも知れないなという印象でした。しかし、6月7日にはCWできっちり5Fから時計を出していますし、そこから週2本のペースを崩すことなく、また追い切りの時計的な負荷も極端に軽くするようなこともなく、調整されています。

 最終追い切りはCWでの3頭併せ。最後方から楽々と追い抜くかと思いきや、真ん中ステラリアが2歳離れした安定のフットワークで先輩を追い抜かせないといった走り。クロノジェネシス自身も手応えに余裕がありましたし、最終追いで遅れたパターンとしては秋華賞1着がありますから、さほど気にすることはないでしょう。強いて、ここ2走と違うパターンを挙げると2週前追い切りが単走という点。許容範囲の相違といった気もしますが、ここ2走よりも相手強化でこのポイントがどう影響してくるかというところです。

【宝塚記念/キセキ】

 今年に入ってからの2戦、阪神大賞典の時はその調整内容をずっとライブで見ることができましたが、前走はゲート再審査も含めて、追い切りをライブで見ることはできていません。そんな中で感じたのは、特に前走は気負っているのではないかなということ。武豊騎手が跨って、途中からハナに立っていくレースになったことがそれを示しているような気もします。

 これに関して、1週前追い切りのCWでの動きを見ていると、前走よりは落ち着いて走ることができているように見えました。負けたとはいえ、天皇賞春での走りが今回に向けてプラスだったような気がします。そして、最終追い切りは坂路。これは初めての試みになりますが、1回目のハロー終了後の追い切りで、単走とはいえ、周囲には馬がいる状況。その中で自分のリズムで走ることができていたと思います。この動きを見ると、ここ2戦とは違う走りを期待してもよいのではないでしょうか。

【宝塚記念/ワグネリアン】

 5月下旬には坂路で時計を出し始め、ここへ向けて早目から調整してきました。毎週水曜日にCWでの追い切りを積み重ねていますが、6月10日、6月17日の併せ馬では攻め駆けする相手だったとはいえ、派手に先着とはいきませんでした。ダービーを勝った時の2週前、1週前はCWで派手な先着だっただけに、そこまでの調整内容にどうなんだろうなという感じでした。

 そして、最終追い切りは芝馬場で単走。札幌記念の最終追いが札幌競馬場の芝で単走という状況はありましたが、栗東での最終追いとしては初めてのパターン。馬なりでしたが、馬自身は走る気持ちを前に出しているように見えました。ただ、先週が追い出してひと息の動きでしたから、個人的に確認したかったのはそこ。実戦でいざ追い出した時にどんな動きができるかイメージしにくい、この最終追いだとさすがに高い評価はできません。

◆次走要注意

・6/21 2歳新馬【スーパーホープ】(1人4着)

 走破時計は平凡ですし、あの位置から伸び切れなかったのは距離。もちろん、これから慣れてくればマイルでも走れるかも知れませんが、手っ取り早く勝利するなら1400mがベストといった印象です。

[メモ登録用コメント] [芝1400m]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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