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“ずっと諦めていなかった”須貝師に聞くアドマイヤジャスタの復活勝利の裏側

  • 2020年08月17日(月) 18時01分
ノンフィクション

函館記念で復活勝利をあげたアドマイヤジャスタ(提供:デイリースポーツ)


函館記念をブービー人気で勝利したアドマイヤジャスタ。デビュー前から注目を集めていた同馬は未勝利戦、紫菊賞と連勝し、GI・ホープフルSは2着と素質の片鱗を見せていました。ところが、皐月賞8着以降、長いトンネルに入ることになってしまいました。そこからの復活に一役買ったのがホライゾネット。再びレースで力を発揮できるようになったアドマイヤジャスタは、札幌記念で重賞連勝を狙います。「調教師は馬の精神科医でありたい」と話す須貝尚介調教師に同馬について伺いました。

(取材・構成:大恵陽子)

※お忙しい中、電話取材に応じていただき、この場を借りて感謝申し上げます。

「どこかで花を咲かせたい」諦めなかった思い


――函館記念制覇、おめでとうございます。

須貝尚介調教師(以下、須貝師) ありがとうございます。

――前走の鳴尾記念からホライゾネットを着用していましたね。

須貝師 ちょっとチグハグな内容の競馬が続いていて、レースから上がってきてもあんまり息が上がっていなかったんです。そこで、集中させるためにホライゾネットを着けたら鳴尾記念で常識にかかる競馬が見られたので、「これはひょっとしたら」って。能力がある馬で、「どこかで花を咲かせたい」ってずっと諦めていなかったんだよね。

――大きな進展が見られて、函館記念に出走することになったんですね。

須貝師 お父さんのジャスタウェイは道悪が上手かったから、力のいる洋芝でも通用するんじゃないかなって思って、北海道に切り替えました。ノーザンファームさんの厩舎とも連携を取りながらやっていきました。

――ホライゾネットを着けるまでは後方でレースを運ぶことが多かったですが、鳴尾記念に続き函館記念も中団でのレースとなりました。

須貝師 (吉田)隼人には「馬込みの中で競馬をするように」って伝えていました。ゲートも良くて、前が結構速い流れの中、外枠やったけど、上手いこと馬込みの中に入れるような感じで運んでくれました。

――では、道中はいい感触をつかみながらレースを見てらしたんですか?

須貝師 そうそう。「これやったら、ちょっと面白いな」って。馬のデキも良かったし、鳴尾記念でちょっと光が見えたので、結構自信があったんだよね。前も速かったし、結構メンバーも強かったから、どこまでとはちょっとアレだったけど、攻め馬にもずっと乗っていた隼人が上手く乗ってくれたね。

――勝った時はどんなお気持ちでしたか?

須貝師 能力を示せたなって思いました。そして、「これからやな」って。ただ懸念されるのは、ホライゾネットって慣れちゃったら逆効果もあるんだよね。その辺の加減をどこで見極めるか。

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