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名馬の存在

  • 2005年12月21日(水) 23時49分
 この1年の締めくくり、実に話題の多い年でした。競馬は、レースがどうであったかが一番で、そこに名馬がいればまず言うことはありません。その点、ディープインパクトの存在が何よりも大きく、今やどこに行ってもこの話題で持ち切りです。名馬伝説は来年も続くので、私達はそのストーリーの真只中にいるということです。

 かつて、シンザンがいて、トウショウボーイ、ハイセイコー、テンポイントがいて、それがミスターシービー、シンボリルドルフで頂点を迎え、その都度競馬ブームがありました。その次が、オグリキャップ、タマモクロスの芦毛時代、さらにはナリタブライアンへとつながっていきました。

 こうして競馬の時代を振り返っていくと、それぞれの名馬たちが、ある時期継続して走っていることに気が付きます。一過性であってはブームにはならず、名馬が次の名馬へとバトンタッチする経過が見られるところに、競馬の盛り上がりがあり、時代と時代をつなぐレースが存在してその移り変わりを実感できるのでしょう。

 その点、後世に名を残す名馬たちは、いずれも現役を全うする姿を見せてくれました。無事に走り続けるコンディションづくり、管理のあり方が名馬を扱う人たちに求められ、責任となっているということです。

 そして、見る側にもその応援の仕方があります。期待するあまりに酷な要求をしていないだろうか、ひとつのエチケットがある筈です。良質のファンとして名馬を見つめる態度がそこにはあって、今はディープインパクトが対象になっています。

 勝負の世界のことですから、この先どんな事態が待ち受けているかわかりませんが、これだけ競馬を盛り上げてくれている貢献度は揺るぎありません。ディープインパクトとのいい思い出が残せるよう、これからの期間はとても大切だということでしょう。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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