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【小倉2歳S/新潟記念】騎手の技術向上を実感した夏競馬「海外騎手が来なくても面白かった」

  • 2020年09月10日(木) 18時00分
哲三の眼

武豊騎手との初コンビで重賞を制したメイケイエール(提供:デイリースポーツ)


9/6(日)で幕を閉じた今年の夏競馬。残念ながら無観客開催は続き、外国人ジョッキーの来日も難しい状況ですが、“こういう競馬を見られるなら、海外のトップジョッキーが来なくても見ごたえがある” と今夏、騎手の技術向上を感じたといいます。今週は、夏競馬を締め括った小倉2歳Sと新潟記念をそれぞれ振り返ります。

(構成=赤見千尋)

最初の3、4完歩が最後の末脚に繋がった


 小倉2歳ステークスは2番人気だったメイケイエールが差し切り勝ち。人気もありましたし、能力の高い馬だと思いますが、なかなか難しそうな面を出していて、簡単なレースではなかったと思います。

 先週の小倉は雨が降って馬場が重くなりました。返し馬から見ていると、メイケイエールの走りはスナップが利き過ぎていて、若干右前脚がアジャストしているように感じました。こういう走りをする馬はあまりいないので、面白い馬だなと注目していたのですが、この時のように馬場が悪いと、のめるというよりも滑るような感じになってしまうことがあります。

 そうなると、馬は余計に頭を上げて口を割って、ということに繋がっていきますから、相当乗り難しいだろうなと。豊さんならどう乗るだろうかと想像しながら見ていましたが、ゲートを出してからの3、4完歩で何とかしてしまった。そこが今回のファインプレーだと思います。

 スタートで出し過ぎず、出さな過ぎず、キレイに馬のリズムに合わせながら、最初の3、4完歩を進められたので、その後少々掛かるそぶりを見せてもレースに集中しきれた。あそこで抑えようとし過ぎたりすると、馬の方が余計にテンパってしまった可能性がありますが、わずか3完歩くらいの間の良さが、最後の頑張り、末脚にも繋がったのではないかと。

 豊さんが経験して来た、小倉の馬場状態はどういう風になりやすい、こういう馬はこういう風になりやすいということをしっかり把握した上で、馬との間合いを上手に取っている。もしも経験の浅いジョッキーが、がむしゃらに乗っていたら、今回のような脚は使えていないのではないかと思います。

 こういう部分は若手に

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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