ウラヌスチャームは今年の条件ならばチャンス十分!?(撮影:下野雄規)
今年のエリザベス女王杯は阪神競馬場の2200mで行われます。京都の外回り芝2200mとは求められる適性が違うので、面白いレースになりそうです。このレースに出走する有力馬について先週の阪神競馬場の芝の状態や今週の天気予報などを考慮しつつ馬体を中心に考えていきたいと思います。
【馬場について】
先週の阪神は時計が速かったですが、つくりが軽くないといけないわけではなくて、むしろ筋肉がしっかりと付いている馬が好走していました。内回りの2200mは持久力が求められる条件で、ある程度馬格であったり先行力や持久力といった要素が求められます。馬体的にはトモの肉付きがしっかりとした馬を狙いたいと思います。天気は良さそうなので道悪を心配する必要はなさそうです。
【各馬について】
ラヴズオンリーユー 見た目には華奢に映る馬ですが、この馬としては肉付きが良くなって完成度が高くなってきました。筋肉の質が強く、体幹がしっかりしていて関節の可動域が大きいのが末脚の切れにつながっています。前走は不発でしたが、今回は四肢が柔軟で飛節が力強く筋肉の張りも良くなってきました。状態は確実に良くなっているでしょう。長く脚を使うタイプではないのでこの条件は何とも言えませんが、良馬場でやれそうなので前走のようなことはないと思います。
サラキア どっしりとして本格化したと言って良い馬体です。トモの張りなどは素晴らしいの一言です。ただ、ツナギなど各パーツに余裕がないので2200mという距離が問題でしょう。
ウインマイティー 秋2走はあまり良く見えませんでしたが、ここにきて本来のトモの張りが出てきたように思えます。前走よりも確実に良くなっているでしょう。春の様に早めの競馬ができるようなら条件が合っていますし、侮れないと思います。
リアアメリア ディープインパクト産駒の牝馬にしては筋肉量があるタイプ。パワーがありそうに見えますが、道悪は全くダメなだけに前走は度外視して良いでしょう。今回は馬場が良さそうですし、この秋は先行力を見せているので条件もこなせるでしょう。巻き返しは必至です。
ウラヌスチャーム 切れる脚がないので、今年は早めの競馬で良績を残せているのが大きな強みでしょう。馬体もなかなか絞れなかった馬がきっちりと仕上がっていますし(腹回りがボテっとして見えるのは腹袋です)、トモの肉付きも良く条件適性は高そう。例年の条件では厳しいですが、今年はチャンス十分でしょう。
ラッキーライラック いつもよりも馬体は細く映ります。筋肉ももう少し張りが欲しい感じもしますが、距離延長に対応するための仕上げとも映ります。条件的には合っていますし、大崩れはないでしょうが写真を見る限りはもうワンパンチほしい感じです。
ノームコア どっしり仕上がっていて、トモの筋肉も素晴らしいです。コースも合っていますが、距離についてはパーツが短めで筋肉量も多いので微妙だと思います。前走は強かったですが、持久力を問われるコースの200m延長はプラスとは言えないと思います。
【総括】
条件などを考えるとウラヌスチャームが面白いと思います。そんなにテンの速い馬ではありませんが、早めに先頭に立っていく形なら良馬場でもやれると思います。人気もなさそうなのでこの馬が面白そうです。あとはリアアメリアが内枠を引けば一変があると思います。ラヴズオンリーユーも力上位なので、この辺りで組み立てたいところです。結論はウマい馬券の直前予想で。
■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。
必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。
主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。