スマートフォン版へ

【エリザベス女王杯予想】メンバーレベルの高いレースで好走した履歴を重視

  • 2020年11月13日(金) 18時00分

どれをヒモで取り上げるか悩ましい


 エリザベス女王杯は、前走でGIかGIIの上位に入っていた馬が圧倒的に強いという、分かりやすい構図のレース。府中牝馬SもGIIになってから機能しはじめたが、GIII時代は全くだった。メンバーレベルの高いところで好走したという履歴を重視すべきだ。

 ラッキーライラックはディフェンディングチャンピオンというだけでなく、牡馬相手にGIを勝ってきたという実績はやはりこの中では抜けている。宝塚記念は馬場状態に泣かされた面があったと思うが、今週は渋ることもなさそうだ。

 唯一のマイナス面が、阪神での施行。阪神が悪いというよりも京都が向くだけにプラスではない。明らかな有力馬だが、勝ち切れずに2、3着というパターンも視野に入れておきたい。

 ノームコアはそのラッキーライラックに札幌記念で先着。こちらは阪神コースが初めてだが、京都のエリザベス女王杯で5着止まりだった履歴があるだけに阪神がプラスとなるシナリオに期待できる面もある。ただハービンジャー産駒はこのコース[0-6-4-28]で複穴は出しているものの勝っていない。本馬の場合は距離ももう少し短いほうがベターな印象もある。

 ラヴズオンリーユーはすっかりケチがついた形で4連敗しているが、もともとの地力は相当あったはずの馬。どちらかというと消耗戦のような競馬になったほうが、他の人気馬が弱まるぶん有利だろう。自身で好位に行く選択肢もある馬なので、自らそういうペースを演出していきたい。

 センテリュオはオールカマーを勝ってきた。オールカマー組は過去10年[2-1-0-3]、連対してきた馬は[1-1-0-1]。好位で競馬ができる馬なら本命にしたいくらいなのだが、すっかり追い込み馬になっているのでそこまでの評価はしづらい。ただ昨年の4着馬であり、阪神好走歴もあるのでGI馬と互角の戦いはできると思う。

 サラキアは府中牝馬Sを勝ってきたが、馬場状態を考えるとどの程度評価していいのか難しいところ。それ以上に難しいのが秋華賞組の扱い。

 今回5頭が出走しているが、秋華賞で着順が良かったのは当時人気薄だった馬で、当時上位人気だった馬は大敗している。過去の傾向としては前者を重視すべきなのだが、今年の秋華賞は例年にも増して差し・追い込み有利なレースでもあった。どのみち3歳馬を軸にするのは難しいと思うのだが、どれをヒモで取り上げるかも悩ましいところだ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング