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日経新春杯

  • 2006年01月16日(月) 12時50分
 ゼンノロブロイ、タップダンスシチーなどが引退し、ちょっと層が薄くなりかけた古馬の中〜長距離路線。4歳勢の飛躍が期待された。4歳アドマイヤフジが勝って、インティライミが小差の3着。とりあえずというか、まず期待通りだった。

 アドマイヤフジは、昨年の3冠を5、4、6着の、あとちょっとの詰めの甘い馬。スケールの大きさを持て余していたようなところがあったが、良績の乏しかった京都で、目下2連勝となった。スパッと切れるタイプではないが、これは母アドマイヤラピスの一族の特徴で、ステイヤー色が濃いため。また、広い意味でのファミリーは、リンカーン、ボーンキング、フサイチコンコルドなどが代表するサンプリンセスの一族と同じで、ちょっと詰めが甘いのはファミリー全体の特徴だろう。逆に、まず大崩れはない。ここまでは小結、関脇クラスだったが、大関級に近づいたかもしれない。

 インティライミは7ヶ月半ぶり。ツメの不安は相当の重症だったというが、見事に立ち直ってみせた。結果は3着とはいえ、1度は抜け出して2分26秒4。ダービー2着馬らしい底力を示した。この馬、今回は道中からリキんで走っているところはありながら、折り合いを欠いたりしないから立派。アドマイヤフジとともに天皇賞(春)を目指せる立場に立った。

 スウィフトカレントは、後方で折り合いを欠くシーンを見せながら、1度は4歳2頭をまとめて差し切るかの脚いろ。昨年の夏から決して大崩れしない準オープン級だったが、もうオープン馬だろう。今回は2400mで好走したが、ベストは2000m級と思える。スタミナ型ではない。

 人気の1頭エルノヴァは、ずっとハミを取っていない道中で気合を入れ通しだった。ステイヤーズSで激走した後の一戦。体調不安はないように映ったが、7歳の牝馬。最近では珍しい凡走に終わったのは、そろそろ引退の時期も思わせた。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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