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根岸S

  • 2006年01月30日(月) 12時50分
 7歳になって初めて重賞を制覇するのも珍しいことなのに、1月のガーネットSで初重賞を手にしたリミットレスビッドが、今度はGI、GII級の揃った強敵相手に、57kgの別定重賞で東京のダート1400mを楽勝してみせた。流れに恵まれたとかではなく、ずっと馬群に揉まれながら割って出ての2馬身差だから立派。東京コースは芝も合わせて初めての出走だった。道中はインを回る形だったが、前走のレースぶりをビデオで確認した内田博幸騎手は「揉まれる形は平気だとわかっていた」という。内田博幸騎手にテン乗りうんぬんはないのだけれど、持ち味の切れを100%生かしての完勝だった。リミットレスビッドは前走の後、芝1200mのシルクロードSに向かう予定と伝えられたが、良績の乏しい1400mで、明らかにシルクロードSよりメンバーの揃った別定重賞を制したからすごい。

 体質の弱さや気難しさがあって、オープンに出世したのは5歳の秋後半のこと。7歳とはいえまだキャリア22戦。芝の1200mを1分08秒前後で乗り切るスピード能力にパワーが加わり、さらにスケールアップさえありそうだ。

 2着タイキエニグマは、11月のブラジルCと同様にスタートは悪かったが、大外から上がり36.2秒(メンバー中No.1)で伸びてきた。こちらは1400〜1800mに実績集中のマイラー型。GIフェブラリーSは収得賞金からボーダーラインになりそうだったが、今回の2着はこの次を考えると大きな2着だろう。マイルの方がより合いそうに思える。

 人気のサンライズバッカスは、あと1本追い足りない気もしたが、ほぼできていた。道中巧みにインに潜り込んでスタートのロスはカバーできたが、直線内に入らざるを得ない形になり、追い出して2回ほど前が詰まりかけてブレーキを踏んでいる。0.4秒差はもちろん力負けではなく、次のフェブラリーSでは期待できそうだ。体形から1400〜1600mがベストの本質スピード型もはっきりした。

 メイショウボーラーは好調時の馬体に戻っていた。昨年は(47.3-35.7秒)の自身で作ったペースで1分23秒0。今年は(47.0-37.3秒)で1分24秒3。追い比べで伸びを欠いたのは59kgが第1だが、相手のペースに合わせてしまうと追って伸びるタイプではないことも再確認できた(兵庫で差した形は相手が弱かったため)。フェブラリーSでは再び強気の作戦を取る計算大だろう。ダートのマイル路線は一段と層が厚くなった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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