今週は高松宮記念が行われます。前走の阪急杯をレコード勝ちしたレシステンシアやマイルGI2勝のインディチャンプ、香港スプリントを勝ったダノンスマッシュなど豪華メンバーが揃って楽しみな一戦。週末の馬場状態も考えながら馬体的考察をしていきたいと思います。

【馬場について】

　先週まではAコースを使用して極端な内伸びの馬場でした。今週はBコースを使用するので、その伸びていたところがカバーされ、むしろあまり伸びていなかったところが内に来る印象です。ただ、外も伸びるかはわからないところなので、この辺りは今週の競馬を見てみないとわからないでしょう。現状では内外の有利不利なしで考えたいと思います。

　天気ですが、土曜は晴れそうですが、日曜日は90％の降水確率が出ています。どれだけ降るかはわからないところですが、ある程度水分を含んだ馬場を想定しておきたいと思います。基本的にパワーやスタミナのある馬を狙いたいところです。スプリント戦だけに馬体的にはトモ量があって骨格もガッチリしている馬を狙いたいと思います。

【注目馬について】

インディチャンプ
　はち切れんばかりの筋肉の張り。一叩きされて良くなるタイプですが、順調に良くなっています。無駄肉が取れ筋肉の張りが増しています。スプリントは初ですが、体型や走法的にはこなせますし、ペースが速くなれば地力で勝ち負けに持ち込めるでしょう。馬場もこなせます。

ダノンスマッシュ
　香港スプリント以来のレースですが、仕上がりが良く動ける態勢です。切れがあるので道悪が良いタイプではありませんが、こなせる造りはしています。稍重くらいまでならこなせるでしょう。問題は枠と馬場の伸びどころ。この辺りがマッチすれば上位争いには持ち込めるでしょう。

ダノンファンタジー
　ディープインパクト産駒の牝馬にしては筋肉量豊富。広い中京コースならスプリント戦にも十分対応できるでしょう。ただ、あまり馬場が悪くなって良いタイプではありませんし、馬場が悪化しないようなら上位扱いしたいと思います。

モズスーパーフレア
　毛ヅヤがあまり良く見えませんし、トモの筋肉の張りも良い時に比べるとイマイチに見えますが、牝馬だけにこれくらいでも良いかもしれません。この馬はパドックでの前の出をチェックする必要があり、すっと出ているようなら走れても良いでしょう。あとは前残り馬場になった時に注目すべきでしょう。

マルターズディオサ
　牝馬らしい研ぎ澄まされた馬体ですが、トモの筋肉量や張りについては素晴らしい状態です。道悪も得意ではありませんがこなせるタイプでしょう。阪神Cではインディチャンプに先着。走っても走っても人気しない印象ですが、馬券的には妙味のある馬です。穴ならこれです。

ライトオンキュー
　シルクロードS2着時よりもグンと良化。肩回りやトモの筋肉が格段に張って無駄な肉も取れました。骨太でパワー満点の馬体。中京の道悪も問題なくこなせそうで、ここは好勝負必至でしょう。

レッドアンシェル
　しなやかで良馬場向きに見えますが、道悪に強いタイプ。筋肉の持久力が高いのでしょう。まとまりが良くバランスも良い馬体。昨秋よりも飛節に力強さがあって良い状態。ピッチの利いた走りで内目の枠も歓迎材料。内伸び馬場なら一発あっても良いでしょう。

レシステンシア
　阪急杯時は正直仕上げが甘く映りましたが、それでもレコードで押し切る強い内容。改めて能力の高さを感じさせられました。今回は使われてずっと引き締まりましたし、トモや肩の筋肉も張りが増しました。道悪も得意ではないですがこなせます。左回りも問題ないですし、これといった死角はあまりない印象です。

【総括】

　現時点では能力でレシステンシア、インディチャンプがリードしている印象。これらに馬場が悪くなればライトオンキューやレッドアンシェル、良いようならダノンスマッシュやダノンファンタジーが絡んでくると思います。結論はウマい馬券で。



■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
　2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

　必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。

　主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。