スタートが最大のカギ
今年の桜花賞に至る路線は、阪神JF、クイーンC、チューリップ賞、フィリーズレビューなど、主要レースはすべて大接戦の連続だった。人気のソダシ、サトノレイナスが一歩リードの形だが、チャンスのある馬が例年よりずっと多い混戦だろう。
3週連続して日曜の阪神の芝は「稍重〜重馬場」だったが、ようやく待望の良馬場で行われる。良馬場で行われた過去10回の平均パターンは、
▽前後半の800m「47秒18-46秒75」。Hペースの流れは少ない。
▽前半1000m通過「59秒14」-「上がり34秒79」=1分33秒93。
あくまで逃げた馬が基準の数字だが、改修後の阪神の桜花賞は乱ペースのマイル戦ではない。行く一手だったヨカヨカが好位で折り合う形を習得して前回好走、逃げ一手ではなくなっている。外の12番を引いた。飛ばして勝ってきた馬は少ない。傾向通り、ハイペースにはならない可能性が大きい。
スピード能力十分と思えるメイケイエール(父ミッキーアイル)に期待したい。前々走の阪神JFは、大外18番枠で出遅れ、行きたがるのをなだめての追い込み策。一旦は先頭に並んだが、寸前に鈍ってソダシ、サトノレイナスから「0秒2」差の4着。3着ユーバーレーベンはいないので、ここまで5戦、先着を許したのはこの2頭だけ。
前走は激しく行きたがり、武豊騎手は(仕方なく)、途中からハナに立った。かかるロスが大きかったので失速するかと思えたが、最後までエリザベスタワーに交わされなかった。あの展開で1分33秒8(上がり34秒8)は価値がある。
今回は武豊騎手が負傷で乗れないため、武英智調教師(40)は、騎手時代から「馬の気持ちを大切に、馬と会話しつつ乗っているに違いない」と、尊敬の念さえ抱いていたという横山典弘騎手(53)にメイケイエールの手綱を委ねることになった。
スタートが最大のカギだが、ポンと出たあと、もしメイケイエールが行く気になったら、その闘志を大切にハナに立ってレースを進める可能性がある。この一族、母とイトコのソダシが示すようにファミリーにはパワーとスタミナ能力もある。
▽シラユキヒメ96
ユキチャン05
| シロインジャー13
| メイケイエール18
ブチコ12
ソダシ18
ソダシの前に立ち塞がるのは一族のメイケイエールであって不思議ない。先着されている2頭のほか、アールドヴィーヴル、ファインルージュ、アカイトリノムスメ、ソングライン、ストゥーティなど、伏兵陣にも手を広げたい。