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共同通信杯

  • 2006年02月06日(月) 13時00分
 少しかかり気味に離して逃げた伏兵モエロタケショウの前半のペースが48.2-61.0秒・・・だから、全体として超スローにも近い流れからの後半の切れ味比べ。というより、坂を上がるあたりでは、上位を占めたアドマイヤムーン、フサイチリシャール、外に出したマッチレスバローもみんな楽。最後に11.4-11.7秒のラップが刻まれた2ハロンぐらいに、各馬の特徴と、秘める可能性がみえたレースと考え、これを春のクラシックに結びつけることにしたい。

 たとえどんなスローの展開で、道中いかなるラップが刻まれたとしても「東京の1800mで対戦すると、各馬のスケールがはっきり出てしまう」という定説もふまえて。

 勝ったアドマイヤムーンは、札幌2歳Sが1分50秒4の楽勝。標準を上回る例年以上のレベルだった。休みを挟んでの12月のラジオたんぱ杯が2分01秒9。サクラメガワンダーに寸前でかわされたとはいえ、たんぱ杯の2分01秒9は史上3位の好時計。アグネスタキオンなどの年には比べるべくもないが、コスモバルクの2分01秒6と互角。そして今回、楽々と上がり33.9秒でまとめてフサイチリシャールを封じたことにより、例年のレベルと比較の成立する「候補」となったとしていいだろう。折り合い不安なしの自在型である。ポイントになるレースに3回も出走したから、今年の3歳世代の「基準」になる馬ともなった。

 フサイチリシャールは、抜け出した坂下で外からショウナンタキオン、さらにはアドマイヤムーンなどが並びかけ、ほぼ横一線になるまで待っていた。外から鋭く抜けたアドマイヤムーンを差し返そうという形になったが、伸びてはいるが、1ハロン、あるいは100mの距離に集約される爆発力は乏しかった。

 このあとは直接、皐月賞の予定というからもう試行はなく、東スポ杯2歳Sのように自分でペースを作るか、あるいは朝日杯のように早めに抜け出して(他にも脚を使わせるような形で)粘り込むか、今回よりは積極的なレース運びになることだろう。最後に並んでからの競り合いはあまり歓迎したくない。

 マッチレスバローはタメて外に出す形で上がり33.9秒。一応、距離にメドが立った。マイル路線を展望していたが、次のレースで皐月賞路線に方向転換するかもしれない。左回りで期待されたショウナンタキオンはアドマイヤムーンより早めに動いて完敗の4着。体調の変動もあるから、まだ底力に?がついたとは断定できないが、トップグループからは脱落した印象が濃い。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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