少しかかり気味に離して逃げた伏兵モエロタケショウの前半のペースが48.2-61.0秒・・・だから、全体として超スローにも近い流れからの後半の切れ味比べ。というより、坂を上がるあたりでは、上位を占めたアドマイヤムーン、フサイチリシャール、外に出したマッチレスバローもみんな楽。最後に11.4-11.7秒のラップが刻まれた2ハロンぐらいに、各馬の特徴と、秘める可能性がみえたレースと考え、これを春のクラシックに結びつけることにしたい。
たとえどんなスローの展開で、道中いかなるラップが刻まれたとしても「東京の1800mで対戦すると、各馬のスケールがはっきり出てしまう」という定説もふまえて。
勝ったアドマイヤムーンは、札幌2歳Sが1分50秒4の楽勝。標準を上回る例年以上のレベルだった。休みを挟んでの12月のラジオたんぱ杯が2分01秒9。サクラメガワンダーに寸前でかわされたとはいえ、たんぱ杯の2分01秒9は史上3位の好時計。アグネスタキオンなどの年には比べるべくもないが、コスモバルクの2分01秒6と互角。そして今回、楽々と上がり33.9秒でまとめてフサイチリシャールを封じたことにより、例年のレベルと比較の成立する「候補」となったとしていいだろう。折り合い不安なしの自在型である。ポイントになるレースに3回も出走したから、今年の3歳世代の「基準」になる馬ともなった。
フサイチリシャールは、抜け出した坂下で外からショウナンタキオン、さらにはアドマイヤムーンなどが並びかけ、ほぼ横一線になるまで待っていた。外から鋭く抜けたアドマイヤムーンを差し返そうという形になったが、伸びてはいるが、1ハロン、あるいは100mの距離に集約される爆発力は乏しかった。
このあとは直接、皐月賞の予定というからもう試行はなく、東スポ杯2歳Sのように自分でペースを作るか、あるいは朝日杯のように早めに抜け出して(他にも脚を使わせるような形で)粘り込むか、今回よりは積極的なレース運びになることだろう。最後に並んでからの競り合いはあまり歓迎したくない。
マッチレスバローはタメて外に出す形で上がり33.9秒。一応、距離にメドが立った。マイル路線を展望していたが、次のレースで皐月賞路線に方向転換するかもしれない。左回りで期待されたショウナンタキオンはアドマイヤムーンより早めに動いて完敗の4着。体調の変動もあるから、まだ底力に?がついたとは断定できないが、トップグループからは脱落した印象が濃い。