【フローラS予想】日本を代表する牝系ファミリーを持つあの馬に注目
外枠はむしろ好材料
昨年の勝ち馬ウインマリリン(父スクリーンヒーロー)にも似たような血のクロスがあったが、今年のクールキャット(父スクリーンヒーロー)は、サンデーサイレンスの「3×3」。ヘイルトゥリーズンの「5×5×5」。なおかつ、ノーザンダンサーの「5×5×5×5」。
サンデーサイレンスのクロスはもちろん意図的だが、ほかは名牝系同士の組み合わせによって生じた必然のクロスのようなところがある。
父スクリーンヒーローの母方は、1987年のジャパンCを3着したダイナアクトレスが代表する輸入牝馬マジックゴデイス系。ダイナアクトレスは1986年のサンケイスポーツ賞4歳牝馬特別(現フローラS)を2着だった。重賞を5勝している。
一方、母のメジロトンキニーズは2005年のフローラSを、勝ったディアデラノビア(次走オークス3着)と0秒2差。その名前通り伝統のメジロ牧場が育てた名門ファミリーで、メジロトンキニーズの3代母メジロアイリス(父ヒンドスタン)は、メジロマックイーンの祖母になる。同デュレン、同ファントムもこの一族。
クールキャットは、表に出る種牡馬はスクリーンヒーローと、母の父ダンスインザダークの配合だが、日本の代表的な牝系ファミリーの組み合わせの産駒であり、そこに配されてきた種牡馬はともに名門牝系ゆえに大半がエース級。そこで著名種牡馬のクロスが否応なく生じることになった。
1勝馬だが、前走のフラワーCの5着は出負けし、3コーナー過ぎにロスもあった。直線は大外に回り、3着ユーバーレーベンとは0秒1差。上がり35秒0は最速だった。
2戦目のアルテミスSは、道中ずっともまれながらソダシの5着。追い込み切れずに9着だったのがユーバーレーベン。2頭の能力は互角だろう。
今回は外の15番枠を引いたため人気落ちだが、キャリアの浅い牝馬同士。もまれない方がいいケースがあり、最近5年間では「18、11、14、15、16、16」番枠の馬が3着以内に好走している。大外18番枠から3馬身差で勝ったのは、2016年のチェッキーノ(ルメール)だった。
ユーバーレーベン本線だが、好調教の目立ったルース、スノーハレーション、パープルレディーなど、伏兵にも手を広げたい。今年の3歳牝馬路線は接戦がつづく。
「マイラーズC」は、久しぶりの芝で8歳馬のわりに人気になりすぎだが、変わらず元気いっぱい。芝1600m【4-3-2-3】のエアスピネル(父キングカメハメハ)の食い込みがありえる。芝1600mには1分31秒6(18年のマイラーズC)がある。