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クラシックに向けて

  • 2006年02月08日(水) 23時51分
 正真正銘の戦い、共同通信杯からきさらぎ賞は確実にクラシックに向け一歩前進するレースです。今年から特に大きな意味を含むレースであることは、前にも述べた通りです。

 若駒と斤量、これが一定になったことで、それぞれのレース結果をじっくり分析する価値が高まりました。上限が57kgとなったことの意味は大きく、今は、各陣営が何を考えて戦っているかを探るときでしょう。

 共同通信杯で、2歳牡馬チャンピオンのフサイチリシャールが負けたことをどう考えるかが、まずあります。

 勝ったアドマイヤムーンは、抜け出して気を抜く癖をテン乗りの武豊騎手がどうカバーするかが注目点でした。松田博調教師は、それを見せずにきっちり差し切ってくれたことで、気性的にも成長できたと語り、これからもゴールで少しでも出て勝つというレースをしていくと自信を深めていました。折り合いをつけて、ゴールでわずかでも先着を果す戦い方、これをくり返すことになるでしょう。

 しかし、フサイチリシャールも収穫があったと福永騎手は語っています。スピードの違いでハナに立っていたのが、共同通信杯では2番手でしっかり折り合い、ゴール前ではもうひと伸びするところを見せました。以前からこういうレースをしたいと考えていたのが、敗れたとはいえ、それが出来たという満足感があったのでしょう。めざすは皐月賞2000m、もっと激しいレースになるでしょう。両馬ともそれに向かう戦い方が出来つつあるということです。もう一度、本番前で試すことがあるでしょう。どちらがそれを確実にするかです。

 そして、これから前哨戦で登場する新たな候補馬たちのこと。きさらぎ賞、さらに弥生賞と、この考察は少しずつ深められていきます。ルールがはっきりしているので、それにそって逃がさずポイントを押さえていく楽しみを味わえるのがクラシック戦線です。わくわくするではありませんか。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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