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【NHKマイルC予想】さらに高いマイル適性を秘める可能性

  • 2021年05月08日(土) 18時00分

きつい流れで活きる母譲りのスタミナ


 NHKマイルCは第6回の2001年まで、勝ち馬も2着馬も外国産馬だけだった(うち4回は3着馬も)。外国産馬がJRA在籍馬頭数の最大12%強にも達した時代だった。

 だが、そのあと日本産馬が19連勝中。これは日本馬のレベルがどんどん高くなったためだが、外国馬が弱くなったわけではない。輸入馬のレベルやタイプと、頭数が関係する。

 やがて在籍外国産馬の比率は3%台にまで減った。しかし、いま日本の種牡馬界は大きな変動期でもあり、コロナ禍ではあるが、レベルの高い輸入馬の頭数は増加傾向にある。外国産馬のレベルは全体に高くなってもいる。

 外国産馬シュネルマイスターの父は、ダンチヒを3代父に持つスピード系のキングマン。愛2000ギニー、仏ジャック.ル.マロワ賞などマイルのG1を4勝し、2014年の全欧年度代表馬だった。今春、凱旋門賞を連覇した牝馬エネイブルの初年度の交配相手に選ばれ、受胎したと伝えられた。

 母方はドイツの名牝系で、サリオス、ブエナビスタ、マンハッタンカフェなどと同じファミリー。母セリエンホルデは、現4歳馬サリオスの母サロミナといとこの間柄になる。ごつい印象の身体つきは3歳時のサリオスに似ていなくもない。

 父がスピード系のシュネルマイスターは、GI朝日杯FSなど1600mで3勝するサリオスより、さらに高いマイル適性を秘める可能性がある。札幌の新馬1500mではスパートした地点で推定10秒台の加速をみせ、1600mの中山ひいらぎ賞でも、後半楽々とハロン11秒台の連続スピードで差し切る圧勝だった。

 今年は先行して押し切りたい快速タイプが多い。例年以上のきつい流れになるとき、独オークス2200mを制した母譲りのスタミナ能力(底力)が生きてくる。スローだったとはいえ、前走の弥生賞ディープインパクト記念2着は勝ったタイトルホルダー(皐月賞2着)と0秒2差。2000mをこなした総合力が、東京での強みになる。

 11月のデイリー杯2歳S(阪神1600m)で、1分32秒4を記録しているホウオウアマゾン(父キングカメハメハ)、12月の朝日杯FS(阪神1600m)を1分32秒3のレコードで抜け出したグレナディアガーズ(父フランケル)が当面の相手。

 アネモネSの勝ち方が強力だったアナザーリリック、阪神の桜花賞は凡走でも、左回りで2勝の内容が光るソングライン。牝馬2頭が穴馬。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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