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【ヴィクトリアマイル予想】春の女王決定戦を制するのはどの馬!? 出走予定馬の調教をチェック!!

  • 2021年05月12日(水) 18時00分

近年の調教傾向が今年も継続する!?


 先週のNHKマイルCは勝ち時計が1分31秒6。当コラムの冒頭では、2016年から2020年の過去5年はすべて1分32秒台で決着していると記しましたが、今年は31秒台だったということになります。時計の出る馬場状態だったことはもちろんなのでしょうが、あの1着2着のレベルが高いという見方はできないでしょうか。

 今週のヴィクトリアMは過去2年の勝ち時計が1分30秒台。良馬場で行われるようなら、今年もこの時計よりも遅くなることはなさそう。この前提で予想するなら、過去2年の勝ち馬が最終追い切りは南Wでしたから、この調教傾向は継続するでしょうね。となると、やっぱりグランアレグリア中心は揺るがないところかも知れません。

【京王杯SC/ラウダシオン】

 前走は雨馬場が主たる敗因と考えてよいと思います。ただ、2週前追い切りのCWで併せ馬を行ったことにより、その後のテンションが高くなったことも調教的な側面から見た時に一因だったかも知れない、ということで、今回の追い切りはすべて単走という形になっています。

 それにしても驚いたのは最終追い切り。6F標識での入りが17.1秒だったので、えっ、今日が追い切りじゃないの?と思ってしまったのですが、その後はじわじわとラップを上げていきますが、ほぼ15-15という内容。時計は6F93.3〜5F76.2〜4F59.7〜3F44.0〜1F14.2秒。確かに富士Sの最終追いは遅い時計でしたが、それと比較してもまだ遅い数字。テンションを考慮してのことではあると思いますが、調教内容から強気に推奨できるといった感じでもありません。

調教Gメン研究所

ラウダシオンは調教内容からは強気には推せない(5月5日撮影)


【京王杯SC/タイセイビジョン】

 この舞台は京王杯2歳Sで重賞勝ち。これに前走が復調感じる4着という結果を考えると、ここで人気上位に支持されるのもなんとなく分かります。ただ、当時やアーリントンCで重賞を制した時との違いは調教内容。坂路中心だった追い切りが、今はCW中心に切り替えられています。

 このパターンになって3戦目ですが、前走で結果が出たと判断するかどうか。確かにCWでの半マイル追いでは、坂路で見せるようなスピード調教なので決して悪くないと思います。ただ、好走時とパターンが違っているという意味では、ここで飛びついて評価する内容でもないかなと思います。

【ヴィクトリアM/デゼル】

 ここに向けて、確実にステップを踏んで、前走で重賞初制覇。クビ差とはいえ、しっかり勝ち切ったあたりにこの馬の素質と勢いがマッチングしている現状を感じることができます。CWでの追い切りでは、とにかく安定した走りができるようになっており、1週前も抜群でした。

 最終追い切りは坂路だったので、この原稿を書いている時点では動きを確認できていません。よって、これについては重賞捜査網の解説をお聞きいただければと思いますが、数字だけだと、4F目最速ラップを踏めたようですね。4F55.0秒が遅くなっているのは気になりません。というのも、5月9日にCWで6Fから時計を出しており、この左回りの追い切りでほぼ仕上げたといったところでしょう。これはオークスの時と同じですが、当時は中2週。あの時とは違う結果を期待してよいはずです。

調教Gメン研究所

走りに安定感が出てきたデゼル(5月5日撮影)


【ヴィクトリアM/レシステンシア】

 中6週のレース間隔ですが、週末と週中にリズムよく坂路での追い切りを積み重ねており、前走の疲労もなく、順調にここまで進んでいるという感じです。ちょっと気になっていた1週前追い切りの坂路での4F54.4秒に関して、武豊騎手に跨ってもらったということも関係しているようなので、最終追い切りの動きを見て判断しようと思っています。

 動き自体は重賞捜査網で解説したいと思いますが、時計的には4F52.9秒、1F11.7秒。ちなみにラスト1Fが11秒台の最終追いは過去に3回あって、1着2回、3着1回という成績。ですから、数字的に見れば全く悪い内容とは思えませんし、あとは松下武士調教師もお話しされていましたが「自分のリズムで走ることができるかどうか」に尽きるのかも知れません。

【ヴィクトリアM/サウンドキアラ】

 昨年の阪神牝馬S1着の1週前追い切りが坂路で4F51.2秒。これがこの馬の自己ベストになりますが、1週前にこれくらいの負荷をかけることがベストなのかも知れません。また、昨年のヴィクトリアMでは最終追い切りが4F51.6秒の時計でした。そこから連対が遠ざかっていることを思うと、坂路4F51秒台はこの馬が復調したと判断する、ひとつの材料ではないかと思っています。

 ちなみに前走時の1週前追い切りが坂路で4F52.0秒。ラストも12.2秒で4F目最速ラップを踏むことができていましたから、これが復調の兆しと思っていました。今回も1週前は4F52.1秒。これはいいと思うのですが、1F12.8秒で最後が失速している点が気になります。また最終追い切りでも似たような時計の出方。前走で1200mを経験したことが、今回に向けて、あまり良い方へ向いていないような気がします。

◆次走要注意

・5/9 4歳上1勝クラス【パラレルキャリア】(4人/7着)

 完全に1番枠が仇になった形。少し控えようとしたところで前をカットされて、位置取りを下げた上、最後の直線でも追い出す場所がありません。それでも上位とは差のないところまで来ていますから、スムーズなら全く違う結果だったでしょう。

[メモ登録用コメント] [東京芝1400m]調教タイプが馬ナリ平均で最終追い切りが南Wで4F54秒以下なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<新潟芝1800m>
◎1週前追い切り以降に坂路馬場で4F目最速ラップ(ただし4F60秒以下)
○最終追い切りが南WかCWでラスト1F最速ラップ

 5月8日の3歳未勝利では◎○○の決着で3連複1778.5倍。ウマい馬券でも予想を的中させることができました。上位の調教タイプは乗込坂路、乗込坂路主体、標準併用でしたから、追い切り本数が多かったり、併用系統だったりしたことも好走を後押ししたかも知れませんが、今の新潟芝にはこの調教適性がベストであることは間違いないでしょう。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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