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クイーンC

  • 2006年02月17日(金) 12時51分
 4月9日のGI・桜花賞まで、もう2ヶ月を切っている。12月の阪神JFで2着し、桜花賞の有力馬の1頭だったシークレットコード(父フサイチペガサス)は、現在のところ体調一歩で桜花賞は間にあわないのではないかとみられたり、その阪神JF・3着のフサイチパンドラ(父サンデーサイレンス)は、あのあと3、6着と凡走し、ムキになって仕上げた印象もあるこのレースをフルゲートで除外されている。

 例年以上に勢力図を描くのが難しい今年、まだまだ一変二変、3月のチューリップ賞、フィリーズレビューのころには、もっと複雑な勢力図になるかもしれない。

 東京1600mのクイーンCは毎年いわれるように、新しいグループにとってはあと2ヶ月未満に迫った桜花賞路線に乗るための重要なステップではあるが、ある程度のキャリアがあるグループにとっては、ここでピークに近い状態では、4月9日の本番で絶好調になる道理がないとされる。メドの立った有力どころはチューリップ賞(3月4日)あたりを始動とするのがふつう。関東のコイウタ、アサヒライジングなど、もう5、6戦のキャリアがあり、2勝以上している馬が、ここでリーチをかけるのは、こと桜花賞を展望するならあまり正解ではないだろう。ここから桜花賞好走に結びつけた馬は、きわめて少ない。

 遠征してくる関西馬も、たしかに東へくれば相手組みやすしだが、桜花賞とは方向もコースもまるで逆角度だけに、ここでの結果吉は、桜花賞とは結びつきにくい。

 本番桜花賞はとりあえず考慮外として、東京1600mの適性を重視するなら、11月13日の赤松賞を制したアイスドールが魅力No.1。当時は未勝利の1400mを勝ったばかり。初の東京で大事にタメたが、レースは60.2-35.1秒のスロー。これを3戦目のアイスドールは上がり34.1秒、最後の1F推定は11.2〜11.3秒で一気に差し切った。

 母ビスクドールは未勝利馬だが、トゥザヴィクトリー、サイレントディールの全兄弟という成長力十分の血筋。1600mを1分35秒3の勝ち時計は平凡でも、大きく展望が広がった。前回の阪神JFは、実際には不良にも近い重馬場(発表は良)で、切れを生かしたいアイスドールにはまったく不向き。まして18頭立ての阪神1600mで、大外18番枠のロスもあった。

 相手の妙味は、巻き返してくるハネダテンシ(初戦圧勝)、気配の良さ光る西のプリティタヤス、前走でコイウタと差がなかったルビーレジェンドあたりにある。手広く流したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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