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【エプソムC予想】世代交代の始まり、完成期に近づく必要がある

  • 2021年06月12日(土) 18時00分

狙いは4歳馬か、上昇の余地残す5歳馬から


 シーズン末の重賞としてもいいが、安田記念で3歳シュネルマイスターがあと一歩の3着したように、先週からすでにクラス分けは「3歳以上」の編成になった。この重賞には3歳馬の出走は少なく、2012年にセイクレットレーヴが出走して4着しただけだが、同日の函館スプリントSは短距離戦らしく再三、3歳馬が快走している。

 世代交代が始まると、ベテランも必死だが、4歳馬ももう最若手ではない。完成期に近づく必要がある。最近10年、4歳馬は【7-6-3-17】と快走している。4歳馬、あるいはまだ上昇の余地がある5歳馬の中から狙い馬を探したい。

 伏兵ヒュミドール(父オルフェーヴル)は3歳夏に去勢された。4歳春には関西から美浦の小手川厩舎に移籍している。もう5歳のセン馬だから、とにかくがんばるしかない。

 ここまでの全4勝は「9、5、10、12」番人気。決して評価の高い馬ではなかったが、やがてオープン馬となる成長力を秘めていた。

 初期の2勝はダート戦。3勝目は、新馬戦以来の芝だった4歳夏の福島2600m戦。さらに初めて東京の芝に出走した11月のノベンバーS(3勝クラス)を、1分46秒7(上がり33秒4)で差し切って4勝目を挙げてみせた(12番人気)。

 このレース、前半スローで残り400mからの1ハロンは「11秒2」。この区間でヒュミドールは、最後方近くから推定「10秒3-4」の爆発力で一気に躍り出て勝った。

 それまでの評価は一変したが、3勝目を2600mで快勝しているから、相手をみて長距離のステイヤーズS(0秒6差)、ダイヤモンドS(1秒1差)、日経賞(0秒6差)に挑戦している。結果は善戦止まりだが、それまでの評価からすると素晴らしい成長だった。前走の新潟大賞典こそリズムを崩したが、中距離ならもっと切れる可能性がある。

 祖母キストゥヘヴンは2006年の桜花賞馬(1800mの重賞は2勝)。3代母の半兄には1989年の日本ダービーで1番人気だったロングシンホニー(5着)がいる。さらに半姉は1983年のエリザベス女王杯2400mを制し、1984年の天皇賞(秋)をミスターシービーの小差3着するなど、重賞3勝のロンググレイス。血統背景はサンデーサイレンスの「3×4」、ノーザンテーストの「5×4×4」。スピード能力はある。決して可能性は大きくはないが、この距離で一変があって不思議ない。

 混戦なので、東京向きと思える4歳ガロアクリーク、人気の4歳アルジャンナ本線に手広くいきたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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