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【宝塚記念予想】上半期GIのフィナーレを飾るグランプリ 有力牝馬2頭の追い切りを徹底診断!

  • 2021年06月23日(水) 18時00分

終いのスピードに成長を感じさせる1頭とは?


 さあ、いよいよ今週は宝塚記念。上半期最後のJRAでのGIということで注目ですね。私自身が出演する競馬予想TV!のGI回収率争いでトップに立っているだけに、ここを的中させて戴冠となれば最高なんですが。

 週末は雨が降りそうな降らなさそうな天気予報。スッキリしない天気にはなりそうですが、上位人気に支持されるであろう馬たちはみな雨馬場で結果を出していますから、雨が波乱を呼ぶということもないかもしれません。それよりも、有力馬は甲乙をつけ難いくらいに状態が良さそうですから、予想はかなり悩むことになりそうです。

【宝塚記念/クロノジェネシス】

 前走がドバイ遠征で、今回の栗東帰厩は6月3日。レースまで20日ちょっとというスケジュールでどうなんだろう?と思っていましたが、そんな心配はいらない状態。その週末からCWできっちり時計を出していますし、そこから週中、週末の追い切りを順調に消化しています。

 1週前追い切りCWでの併せ馬は時計が速くなりましたが、個人的には折り合いを欠いているという印象もなく、パワーアップしているからこその数字という印象。それと比べて、時計が遅くなった最終追い切りでしたが、だからといって問題があるわけではありません。6F85.4〜5F68.3〜4F52.7〜3F38.7〜1F11.7秒の数字の中には、スピードの自在性がちりばめられており、素晴らしい動きでした。連覇に向けて、万全の態勢ということでよいと思います。

調教Gメン研究所

連覇に向けて万全の態勢が整ったクロノジェネシス(写真奥、6月23日撮影)


【宝塚記念/レイパパレ】

 大阪杯の時は休み明けなのに、坂路での追い切りが4本。これでは足りないと判断しての無印でしたが、結果は圧勝。レース後はプレッシャーの少ない展開が勝因だと思っていましたが、22日に坂路でじっくりと馬体を眺める機会があった時に「それだけじゃないです、ごめんなさい」と呟いてしまいました。

 その理由が馬体。いわゆる細マッチョで無駄な肉が付いておらず、必要な筋肉だけが必要な量だけといった感じ。これが重たい馬場でもロスのない走りを生むんだと思いますし、時計が速い馬場になっても対応できるところなのでしょう。この体なら調教の負荷もさほど必要ないのは分かります。

 最終追い切りは時計しか見ることができていませんが、自己ベストを大きく更新した4F51.6秒。あの体つきなら、この数字、出るよなあという感じ。実際の動きについては重賞捜査網で解説させていただこうと思いますが、この数字を4F目最速ラップでまとめてきたところは凄いと思います。

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無駄な肉のない細マッチョな馬体が光るレイパパレ(6月15日撮影)


【宝塚記念/アリストテレス】

 ここまで長距離路線を歩んできましたが、前走の結果を踏まえて、今後は2400mの距離を上限にレース選択していくことになりそう、というのが、今回帰厩した時に音無秀孝調教師から伺っていた今後のプラン。それだけに、中間ではCW追い切りになっても、最終追い切りは坂路になるだろうなと思っていたら、やっぱりそうでした。

 最終追い切りが坂路はすみれS以来。当時は2F25.7秒、1F13.5秒と終い止まる内容でしたが、今回は2F25.1秒、1F12.5秒。あの頃よりもパワーアップしているということだと思います。1週前追い切りのCWでも動きすぎず動かなさすぎずでちょうどいい感じ。あとはこの馬の能力が今回の上位とどのくらいの差なのか、これが着順に表れそうです。

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終いにも速い時計が出ており成長を感じさせるアリストテレス(6月22日撮影)


【宝塚記念/ユニコーンライオン】

 中2週のローテーションは前走と同じ。しっかりと時計を出す追い切りは2本でしたが、15-15程度の時計が3本ほど出た内容を見ると、レース間隔を詰めることが調子維持には適していると考えてよさそうなタイプ。それだけに引き続き、レース間隔が詰まることは問題ないと思います。

 1週前追い切りが金曜日で最終追い切りというパターンは前回と同じ。動きは原稿を書いている時点で見れていませんが、時計は4F53.2秒で2F24.1秒。1F12.0秒で最速ラップを踏んでおり、前半と後半でしっかりとラップ差がある動きができたようですね。22日にその様子を確認すると、充実した馬体を見ることができましたし、あとは自分の競馬をしてどこまで、でしょう。

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勝利した前回と同じパターンで調整が進められているユニコーンライオン(6月22日撮影)


【宝塚記念/キセキ】

 前走QE2世カップは道中の折り合いがつき、3コーナーでの手応えも抜群。と思いきや、最後の直線に向いて、いざ追い出すとエンジンのかかりが鈍く、結局差し遅れるような形での4着。逃げなくてもレースできるようになった印象ですが、その分、仕掛けどころも難しくなった気がします。

 ただ、この中間のCWでの追い切りの動きは機敏。特に2週前追い切りの動きは好調時のこの馬の走りに思えました。最終追い切りの動きは確認できていませんが、時計が4F53.3秒で2F24.8秒。1F12.3秒で4F目最速ラップを踏んでいるなら、数字を見るかぎり悪い動きとは思えません。あとはレースでの機敏さが出てくるかどうかでしょう。

調教Gメン研究所

追い切り時計は問題なく、あとはレースでの動きが鍵となるキセキ(6月15日撮影)


◆次走要注意

・6/20 2歳新馬【ダノンスコーピオン】(1人/1着)

 道中がスローだったこともあり、完全に2着馬が後続を封じる展開。それをきっちりクビ差し切るんですから、センスがあるのは間違いありません。CWでの最終追い切りで見せた瞬発力をレースでも発揮できるんですから、しっかりの優等生だと思います。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら

◆開催おすすめの調教適性

<阪神ダート1400m>
◎最終追い切りが坂路馬場で3F目以降12.9秒以下
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 6月20日の3歳上2勝クラスは◎と○の両方の調教適性に該当した馬が1着、2着、3着。6月19日の3歳上1勝クラスは◎〇が1着2着、3着は◎でした。該当頭数が多かったこともありますが、どちらも3連複は高配当。今週までの阪神ですが、もちろん狙えると思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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