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【宝塚記念予想】どの馬が前に行くかで展開も結果も左右される

  • 2021年06月25日(金) 18時00分

クロノジェネシスが大崩れする形はイメージできないが…


 牝馬が人気上位を占める今年の宝塚記念。中でもクロノジェネシスはやはり有力だ。

 この馬の強みは適性幅の強さ。デビュー前には「血統のわりにキレ味もありそう」などと言われていたのだが、キレが要求されるレースでも持続力が要求されるレースでも結局こなせてしまう。昨年のような捲りも選択肢となると、大崩れする形をイメージできない。

 惜敗があるとしたら、構えて乗り過ぎた場合か。ルメール騎手は強い馬ほど自信をもって構えるところがあるが、前が意外な粘りを見せた場合の2着は可能性としてある。

 レイパパレは無敗でのGI制覇。1ハロン延長は問題ないだろうし、ローテからも上昇余地はある。

 ただ大阪杯の評価は難しい。強い相手を負かしての勝利で価値がある一方、馬場が極端だったのは事実。目標にされる度合いも今回は違う。

 ユニコーンライオンと内枠どうしになったが、向こうが行くなら行かせて番手の競馬が理想。早めに仕掛けてクロノジェネシスに対してリードをとりたい。

 カレンブーケドールは天皇賞春で勝てなかったのは痛い。適性そのものはもっと長いところのほうにあるだろう。ただ、結局この馬は展開ひとつ。中盤が緩んで上がりが速くなると出番がないが、平均ペースなら見せ場は作れる。抜け出すとふわっとするので、レイパパレのような強い馬が前にいることは悪くない。ただ同馬と先に戦うことでクロノジェネシスを引き出してしまうようなことはありうる。

 アリストテレスは今年4戦目で上昇度がどうかということと、武豊騎手とはいえテン乗りがどういう結果をもたらすか。この馬の理想としてはレイパパレとカレンブーケドールがつぶし合う形になっての差しだろう。ただその展開だとクロノジェネシスには勝ちづらく、その2着という感じになってしまうのではないだろうか。

 モズベッロは展開待ちのタイプだが昨年の3着馬でもあるし、このレースは上がり上位馬がそのまま上位着順となりやすいので、展開次第では人気以上の走りも可能。池添騎手とのコンビで結果が出ているのもよい。

 キセキは扱いが難しい馬だが、もともとの能力の高さは忘れないでおきたい。最近の競馬からすると控えるのだろうが、この馬が前に行くと展開も結果も変わってくる。

 ユニコーンライオンは前走がだいぶ恵まれたので再現は難しいだろうが、腹をくくって逃げれば鈴をつけにくる馬が出てこない可能性もある。もともと逃げ馬というわけではないが、一発があるとしたらやはり大逃げだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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