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【四位洋文調教師(4)】「未だ“四位洋文”に緊張!?」厩舎スタッフにアンケート取材

  • 2021年07月05日(月) 18時02分
四位厩舎特集

▲今週は、持ち乗り調教助手さんが全員登場! (撮影:桂伸也)


ダービー連覇を果たした名手であり、卓越した騎乗技術で多くのホースマンのリスペクトを集めてきた四位洋文騎手が引退して、早1年以上が経ちました。今の肩書は新人の“調教師”。馬から降りた名手の“競馬”へのこだわりは、新たな形で「馬作り」「人作り」「厩舎作り」に着々と活かされています。

netkeibaでは1か月にわたり“四位厩舎特集”を実施。今週も四位厩舎のスタッフさんが登場。アンケート取材で飛び出す様々なホンネ……四位厩舎の絆が試されます!

※取材・構成=不破由妃子(四位調教師)、大恵陽子(スタッフ)


【アンケート項目】
●四位調教師からの紹介文
(1)プロフィール:ニックネーム、年齢、担当馬、馬を育てるうえでのポリシー
(2)四位調教師はどんな先生ですか? イメージと違ったところなどはありますか?
(3)四位厩舎ならではと思うことは何ですか?
(4)四位調教師へのご要望があったら教えてください!



【安部雄一郎持ち乗り調教助手】

四位厩舎特集

●あまり話したことはなかったのですが、調教師試験に合格したとき、すぐに電話をして声を掛けさせてもらいました。なぜなら、パドックで馬と歩いている彼の姿がすごく好きだったから。だから、「みんなの手本になるような曳き馬をしてくださいね」とお願いしています。厩舎でもいつも楽しそうに仕事していますし、馬のためになることも積極的にやってくれてます。

(1)「安部ちゃん」と呼ばれています。40歳です。いま北海道に滞在していて、エーティーツヨシとショットオブザデイを担当しています。人間同士が会話でコミュニケーションを取るように、馬ともできるだけコミュニケーションを取ろうと思っています。パドックでは、見られていることを常に意識して馬を曳いています。また、1頭1頭違うので、その馬に合わせるように意識しています。

(2)ジョッキーの頃の四位先生は、職人肌で近寄りがたい雰囲気がありましたが、いざ話してみるとすごく気さくでビックリしました。開業してからも、従業員のことをすごく気遣ってくれて、働きやすい環境を作ろうとしてくれています。みんなのために毎朝パンやお菓子を買ってきてくれたり、大仲のトイレまでめちゃめちゃ綺麗で、自動で蓋が開くタイプなんですよ(笑)。

(3)先生が馬をすごく大事にされていて、スタッフ間もすごく仲がいいこと。みんなすごく楽しく仕事ができているので、それが馬にも伝わったらいいな、と思います。よく言われる「Happy people make happy horse.」という厩舎になればいいなと思います。

(4)いまのところ、本当に何もないですね。何の不満もありません。




【井本貴典持ち乗り調教助手】

四位厩舎特集

●僕と同じ九州出身。彼もずっと馬術をやっていた関係で、僕の乗馬の先生のことも知っています。馬をめちゃめちゃ可愛がってくれるし、性格もすごく穏やか。馬によく話しかけていて、一生懸命に仕事をしてくれています。

(1)先生からは「いもっちゃん」、他の人からは「いもっち」と呼ばれています。37歳です。たまたまなんですけど、牧場を紹介してくださった方が四位先生の乗馬の師匠なんです。担当馬は今週デビューのトゥードジボン(編集部注:新馬戦は3着でした)と、エカテリンブルクです。競走馬は、レースに向けてトレーニングを積むとストレスがかかってくるので、無用なストレスをかけないよう、日々淡々と馬が安心できる仕事をするように心がけています。

(2)先生は、馬乗りも厩舎作業も「馬にマイナスになることはしたくない」という姿勢で、見習いたいです。これまでは勝手なイメージで「すごく厳しい方なのかな」と思っていましたけど、人情味に溢れていて温かい方です。

(3)厩舎カラーの「馬を大事にする」というスタンスを、みんなが普段から考えてやっていると思います。先生は朝、厩舎に来ると、全頭に話しかけるところから始まるんですけど、馬にひと声かけていくことを僕たちも大事にしないといけないな、と思わされます。

(4)欲しい馬具があると買ってくれたり、気持ちよく仕事ができるように環境を整えてくださるので、感謝しかありません。要望ではないですけど、せっかく縁があって一緒に仕事をさせてもらっているので、僕たちはどんどん結果を積み上げて、馬主さんに喜んでいただき、みんなで喜んでいけるように頑張っていけたらなと思います。




【宇佐美結生持ち乗り調教助手】

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●日本大学の馬術部出身で、騎乗技術が高いスタッフです。体も小柄で、ジョッキーのようにかっこよく乗れるので、コースで追い切っているときなど僕と間違われるくらい。それだけの技術を持ちながら、人間的には割と控えめで、もっと自信を持ってアピールしてもいいのになと思っています。

(1)そのまま「宇佐美」と呼ばれています(笑)。38歳で、担当馬はヒーリングマインドとヴィースバーデンです。決まったことを丁寧に確実に、毎日やることを大切にしています。僕自身、あまり自信があるタイプではなくて、「馬に負けないように、馬の上で自信を持って」と先生から言われています。たぶん、僕の性格を察して言ってくださっているのかな、と思います。

(2)今まで出会ったことがないくらい馬が好きな方だな、というのがすごく伝わってきます。ジョッキー時代はやっぱり「少し怖いのかな?」と思っていましたけど、人情に厚くて僕たちを育てようとしてくれています。

(3)スタッフの仲がいいです。施設面では、ロッカールームなど何でも先生が用意してくれるので、働きやすい環境です。

(4)要望はありません。あ、でもまだ「四位洋文」というネームにちょっと緊張しちゃいます(苦笑)。




【北添裕哉持ち乗り調教助手】

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●西浦厩舎出身で、クロコスミアを担当していました。海外遠征の経験もあって、すごく真面目。常に一生懸命に取り組んでくれています。僕は西浦厩舎のスタッフさんをあまり知らなかったので、西浦厩舎の馬によく乗っていた(国分)優作が間を取り持ってくれたのですが、北添くんとは、開業前からいろいろな話ができました。頼りにしています。

(1)年下の人は「ゾエさん」、年上の方たちは「北添」、先生は「北添くん」と呼んでくれています。昨日40歳になりました。担当馬は3歳牝馬のハギノダンシングと、先週ゲート試験に受かったばかりのオゼイユという2歳牝馬です。

(西浦厩舎時代にクロコスミア(2017年府中牝馬S)を担当されていたこともあってか、牝馬のイメージが強いです)牝馬を担当するのはたまたまですが、好きですね。その馬がどういう気持ちでいるのかを常に考えながら接しています。また、幸せな競走生活かつ、その後もずっと幸せに歩めるように、そのときに考えられる最善のことができればいいなと思っています。

(2)馬のことをよく見て、大好きなんだなと感じます。厩舎を開業される前にお話しする機会が何度かあって、その頃から徐々にイメージは固まっていったんですけど、面白いこともおっしゃるんだなと思いました。僕たちともいろいろ笑い話をしてくれます。

(3)スタッフがいい(笑)! 仲が良くて、仕事も性格も雰囲気も全部グッドだと思います。

(4)健康に気を付けてください。僕のモットーも「心身ともに健康」なんですけど、大黒柱の先生が不調になると、働いている僕らや馬たちにも少なからず影響があるかもしれないので、いつも変わらずいてほしいと思います。




【田所純持ち乗り調教助手】

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●田所秀孝先生の息子さんで、もともとはサッカー少年。高校も茨城の強豪校に進んだくらいの実力の持ち主だったそうですが、ケガでサッカーの道を断念し、馬の世界に入ってきたと聞きました。小言を含め(笑)、彼とはいつもいろんな話をしています。今はなんでも吸収していくスポンジ状態で、今後どんなホースマンになっていくのか楽しみです。

(1)先生も含め、みんな「あっち」と呼んでくれます。34歳で、担当馬は田所秀孝厩舎(解散)でデビューから担当させてもらっているタイサイと、2歳のヒデチャンフェイスです。大学までずっとサッカーをやっていて、たとえば試合ですぐにトップスピードで走れるように、試合前にダッシュをして一度疲れさせてから、整えて試合に臨んでいました。競走馬にも重なる部分が少しはあるのかなと感じていて、「追い切りがそうなのかな」など、いろいろと考えています。

(2)とにかく優しいです。後輩ジョッキーが先生を慕っているのを見ていましたが、一緒に3か月仕事をさせてもらって、「これはついて行く!」と感じます。常に馬や従業員のことを考えてくれていて、細かいところですけど、毎朝パンやドーナツなどを大仲に用意してくれます。1頭目の調教を乗って、ちょうど小腹が空いた頃にみんなが手軽につまめるようになっています。「四位洋文」という方に対してリスペクトがあるんですけど、先生はそれを一切出さず、僕らの意見も聞いてくださいます。

(3)最初の頃に「全員が馬の情報を共有して、全員が扱えるようにしていきたい」と話をされていて、四位厩舎ならではと感じました。みんなもそれは意識しているように思います。それだけじゃなく、手が空いている人がいれば、他の人の洗濯物を自然と洗ったりしています。

(4)厩舎の設備など何から何まで面倒を見てもらっているので、逆に僕たちが返さないといけないと思っています。レースに向かう過程も大事ですが、結果を出して先生を笑顔にしたいなってみんなで話しています。これだけしてもらっているから、「俺ら、やるしかないよね!」って。




【久野豊持ち乗り調教助手】

四位厩舎特集

●四位厩舎のなかで、一番若いスタッフです。小倉競馬場でずっと乗馬をやっていて、本当はジョッキーを目指していたそうですが、体が大きくなってしまったことであきらめたと聞きました。乗馬はずっと続けていたので、馬術には精通しています。若いぶん、今はスポンジ状態で、いろんなことをどんどん吸収していっているし、すごく研究熱心です。

(1)畏れ多いですが(笑)、「ユタカ」と呼ばれています。36歳で、小倉競馬場の乗馬センターで浜中俊騎手や鮫島良太騎手と一緒に乗馬を習っていました。担当馬はウォームライトとネプチュナイトです。馬は喋れないので、そのときの表情や変化には気を付けるように心がけています。

(2)ひと言で表すと「かっこいい」です。ジョッキー時代はちょっと怖いのかな? と思っていたのですが、馬や騎乗について親身になって教えてくださって、「それに応えたい」と思っています。

(3)みんな馬を愛していること、じゃないでしょうか。先生は馬にけっこう喋りかけるので、見習ってもっと喋りかけないとなと思います。また、大仲に木馬が置いてあって、先生から指導を受けたんですけど、ずっと「四位騎手」として見てきたので不思議な感覚でした。

(4)ずっと元気でいてほしいです。僕らが知らない仕事もいろいろとやっていると思うので、まだまだ力不足ではありますけど、僕なりにサポートして、少しでも力になれたらなと思います。




【深川享史持ち乗り調教助手】

四位厩舎特集

●四位厩舎のスタッフのまとめ役として頑張ってもらっています。西浦厩舎時代には、カワカミプリンセスを担当していた経験があり、仕事もすごく丁寧で、なんでもしっかりやってくれる頼れるスタッフです。馬に対していつも穏やかなので、ちょっとヤンチャな馬も彼に任せるとおとなしくなります。彼もパドックでの馬のリードが素晴らしく、先日も生産牧場の方や他のオーナーさんからお褒めの言葉をいただきました。しっかりと馬を歩かせることは、大事な躾の一部。僕の厩舎では、スタッフ全員が彼のように常に活気のあるリードを行い、2歳馬など何も知らない子たちもしっかりと歩けるように教えています。

(1)みんなからは名字で呼ばれていて、3日後に43歳になります。担当馬はサマービートとトロイメント、それから放牧に出ているモンテディオとゲストプリンシパルです。

(サマービートは四位厩舎初勝利の馬ですね!)はい、ありがたいことに。元々、藤原英昭厩舎で「走る」と言われていて、いいタイミングで引き継がせていただきました。転厩初戦は藤原厩舎の方々がほぼ仕上げてくださったみたいなものです。レースで勝てるかどうかはいろんな要因がありますが、レースで力を発揮できる状態で送り出してあげようと心がけています。

(2)本当に馬が好きだなと思います。もちろんみんな好きなんですけど、「好き」の度合いが抜けていますよね。厩舎に来たら、まず馬の表情を見て、「今日は気分どう? 元気いい?」と声をかけて、その後に担当者に「脚元は大丈夫?」と聞いています。メンタルをすごく大切にしていらっしゃいます。

(3)栗東一、楽しいんじゃないかな、と僕は思います。他の厩舎で働いたことがないのでわかりませんが、楽しくて、やりがいがあって、スタッフがみんな仲がよくて。でもメリハリもついています。先生は大きな道筋は立ててくれますけど、「お前らのセンスだから」と、ある程度任せてくれることも多くて、そのぶん責任を持ってやろうと思わされます。

(4)もう少し休んだらいいのにな、と思います。月曜日も時間があれば厩舎に来て、馬に「元気?」と声をかけています。「これが好きなんだ」とおっしゃっていますけど、体も休めたほうがいいんじゃないのかな、と思います。




【山本浩史持ち乗り調教助手】

四位厩舎特集

●湯窪厩舎時代にカフジテイクを担当していた助手さんで、僕と同じ九州出身です。当時から馬に対して情熱を持って接している姿を見ていたので、開業したらぜひ力になってほしいと伝えてありました。僕が調教師試験に受かったときは角居厩舎にいて、そこで改めて声を掛けさせてもらい、今に至ります。とても勉強熱心で、馬に対する熱量が高いホースマンです。

(1)「山本くん」と呼ばれています。37歳で、マテンロウガイアとプラウドリネージュを担当しています。馬のベストな状態をキープできるよう心がけています。担当馬は愛着が沸きますし可愛いです。時に怒ることもありますが、四位先生と同じで馬が好きでこの業界に入っているので、愛情を持って接してあげたいなと思っています。

(2)四位先生は、競馬を見始めた中学生の頃から憧れの人で、当時の僕にとっては芸能人のような存在でした。クールな勝負師というイメージでしたが、調教師になられて関わるようになると、馬のことも真剣に話しますが、それ以外の砕けた話もしてくださって、人柄の良さがにじみ出ていると感じます。従業員に対しても、家族のような感じで愛情を持って接してくださっているように思います。

(3)四位厩舎ではまだ1日しか働いていませんが、先生自ら手入れを手伝って馬の顔を拭いたりしていて、すごいなと思います。馬房の前を通るときも「大丈夫か?」と声をかけながら覗いたりして、管理馬をすごく可愛がっているんだなと感じます。

(4)開業仕立てでお忙しいと思うんですが、ずっと厩舎にいて馬やスタッフを気遣ってくださっているので、ご自身の体にも気を付けてもらいたいなと思います。調教師は休みがないようなものなので、休めるときは休み、息抜きをしてもらいたいなと思います。

(文中敬称略、次回へつづく)

1972年11月30日、鹿児島県生まれ。JRA栗東所属の調教師。騎手時代は2007年の日本ダービーでウオッカに騎乗し、64年ぶりの牝馬ダービー制覇を達成。翌年の日本ダービーではディープスカイに騎乗し、史上2人目の連覇を成し遂げる。JRA通算1586勝。2019年12月新規調教師免許試験に合格。2020年2月で騎手を引退し、1年間の技術調教師を経て2021年3月に新規厩舎を開業。

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