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アーリントンC

  • 2006年02月24日(金) 12時51分
 キンシャサノキセキ(父フジキセキ)は、日本の種牡馬フジキセキの産駒ながらオーストラリア生まれの外国産馬。これはフジキセキがシャトル先の豪州で送った産駒のためで、外国生まれのフジキセキ産駒を輸入するふところの深さを示すからノーザンFは凄い。

 フジキセキは、タヤスツヨシなどと比べると必ずしもシャトル先での評価は高くなく、キンシャサノキセキも好馬体のわりに高額ではなかったから、豪州のセリで何頭かまとめて購入したうちの1頭が同馬らしいが、早くも光るところをみせている。

 馬名通りのキンシャサの奇跡(現コンゴ民主共和国の首都で、かつてモハメド・アリがG・フォアマンを倒した)になる可能性がある。種牡馬フジキセキは、サンデーの後継種牡馬のトップの世代。また、青鹿毛の馬体はもっともサンデーサイレンスに似ているとされ、牝系はミルリーフの一族。期待通りに成功したが、やや非力なマイラー型が多く、大物は送っていなかった。だが、最初のうちスピード色の強い産駒を送り出すパターンは大成功する種牡馬の1つの形であり、パーソロン、ノーザンテーストなど多くの種牡馬がそうだった。

 やや物足りないとされ、大物を送らなかったフジキセキは、カネヒキリを送り出し、そしてこのキンシャサノキセキ。もし同馬が3連勝で重賞を制するとなると、フジキセキの評価は一変することになる。キンシャサノキセキは、サクラローレルや、そのいとこのタイムパラドックスが代表する牝系の出身。マイラーが多かったフジキセキ産駒の中では、かなり距離をこなせそうな牝系をもっている。初輸送のレースだが、チャンス大だろう。

 スピードあふれるステキシンスケクン、追って切れるイースターを本線にしたいが、ゴウゴウキリシマも侮れない。九州産馬のような名前だが、祖母はマルゼンスキーの半妹という名門の出身。決して早熟ではなくまだまだ強くなりそうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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