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【クイーンS予想】秘める可能性、大きな期待は重要な要素

  • 2021年07月31日(土) 18時00分

秋のビッグレースに向けた重要な一戦


 2000年に夏の北海道に移った当初は、6月のマーメイドS、エプソムCに続く路線に近いところがあった。ただ、的を絞って出走する牝馬のスケジュールが一般的になり、少しずつ傾向が変化してきた。

 最近10年のクイーンSで3着以内に好走した30頭のうち、ちょうど半数の15頭は春のGI挑戦(海外を含む)からしばらく休養し、ここで始動した馬になる。秋のビッグレースに向けた重要な一戦(別定戦)だからである。

 そのうち、クラシック組の3歳馬(今年は不在)を別にすると、もっとも多いのは5月のGIヴィクトリアマイルに出ていた馬の「11頭」。

 その11頭のVマイルの成績は不思議なほど平凡で【0-0-0-11】。好走馬はいないが、全馬が4歳、5歳馬。やがて充実の秋を展望した馬だった。ローカル重賞なので上がり馬の台頭は軽視できないが、結果が伴わなかったとはいえヴィクトリアマイルに挑戦した馬の秘める可能性、大きな期待は、GIIIでは重要な要素になる。

 今年、Vマイル組は3頭。5歳シゲルピンクダイヤ(桜花賞2着馬)、4歳テルツェット(母はリアルスティール、ラヴズオンリーユーの半姉)の2頭は5着、14着だったが、4歳マジックキャッスル(父ディープインパクト)は、天皇賞(秋)に挑戦を表明したグランアレグリアの3着に好走している。昨年10月の秋華賞では、無敗の3冠牝馬デアリングタクトの0秒2差2着の星もある。

 今年のクイーンSに出走するVマイル組の中で、マジックキャッスルのランキングは最上位。ヴィクトリアマイル好走の実力を評価したい。

 今年は、2011年アヴェンチュラ、2012年アイムユアーズ、2017年アエロリットのように別定52キロを大きな味方にする3歳馬がいないのも有利だ。

 距離1800mは初めてだが、4分の3同血の兄ソーグリッタリング(7歳、父ステイゴールド)は、1800mに【2-4-2-1】の良績があるから、まず不安はない。テルツェット、同厩のドナアトラエンテ(ジェンティルドンナの全妹)など、クイーンSらしい強敵相手だが、ここで秋の予定をしっかり作成したい。

 人気上位の3頭は、みんな差しタイプ。ライバルの目標になりたくない。展開面で注目は、前走で血統通りの洋芝向きを示した外国産馬サトノセシル(父Frankel)の先行力。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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