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中山記念、阪急杯

  • 2006年02月27日(月) 12時50分
 組み合わせからみてかなり単調な先行馬有利な流れが予想された。さらに、重馬場になってますます先行するはずのダイワメジャー、バランスオブゲームに条件有利となり、結果もその通りの逃げ、先行の決着だった。

 おそらくスローの先行残りとみて、武豊騎手のエアメサイア、横山典弘騎手のカンファーベストも積極的に前へつける作戦をとったが、レースの流れに影響を与えるまでには至らず、先手を奪ったバランスオブゲームの鮮やかな逃げ切りだった。ダイワメジャーが2番手に控える形をとってくれたとはいえ、前半60.9秒のマイペースに持ち込んで上がり48.0秒-35.6秒。逃げたバランスオブゲームだけがただ1頭、上がり35.6秒を記録する圧勝だった。

 これで中山記念は2、1、1着。もともと中山1800mのスペシャリストが連続して好走するのがこのレースの歴史だが、この日引退された成宮師の手がけたカネミカサ(父バーバー)の中山記念の記録1、1、2着と同じように、3回も中山記念連対の記録を残すことになった。

 ダイワメジャーは3コーナーすぎ、バランスオブゲームに並びかけようとしたが、逆に突き離されてしまった。こちらも中山の1600mを連続して1分32秒台前半で乗り切るスピード型だけに、重馬場はあまり有利ではなかったろう。

 カンパニーはもう少し早く動きたかったが、前の2頭とほぼ能力は互角の同馬に、流れが味方しなかった。注目のハットトリックは、59kg、重馬場、中山コース。不利な要素がすべて重なった形で、ドバイへのステップに選ぶレースが他になかったから、今回の凡走はやむを得ないだろう。明らかに中山コースは合っていなかった。

 阪急杯は不良馬場。波乱が予測された中、松永幹夫騎手の11番人気馬ブルーショットガンが好位から抜け出してみせた。単勝38倍。松永騎手の最後の重賞レースに期待したファンにとってさえ、買いにくい伏兵で、昨秋の天皇賞のヘヴンリーロマンスといい、強運を味方にした男のこれからの調教師生活の成功を約束するような快走だった。人気のコスモサンビームは急性心不全で死亡。明と暗があまりに大きく分かれたレースだった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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