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チューリップ賞、オーシャンS

  • 2006年03月03日(金) 12時51分
 毎年のように桜花賞の連対馬を送り続けたレースだが、フィリーズレビュー(次週)の日程が動くとともに必ずしも直結しなくなってはいるものの、本番と同じ阪神1600m。今年は01年のテイエムオーシャンと同じように、現在チャンピオンのテイエムプリキュアが出走してきた。勢力図がはっきり浮かび上がりそうだ。

 ただし、新星が加わってもっと実力接近の桜花賞にもつれ込むことを期待して、1勝馬のアドマイヤキッス、プリムローズヒルに注目したい。ともにサンデー産駒。ここではこの2頭だけ。本番を直前に、また今年もサンデーの有力馬が浮上してきそうな予感もある。

 とくに、プリムローズヒルは、デビュー前の栗東の坂路で50.6秒-12.2秒をマークして注目されたが、1600mの新馬を楽々と抜け出して上がり34.8秒-11.8秒だった。全体の時計の1分35秒9は平凡でも、秘める能力は文句なし現2〜3勝馬と互角だろう。祖母は桜花賞、トライアルともに2着のロイヤルコスマー(父ロイヤルスキー)。ちょっと非力な印象もあったが、名門コスマーの一族らしいセンスとスピード能力があった。

 そこにサンデーサイレンスの活力とバネが加わり、祖母ロイヤルコスマーを上回る素質を認めたい。キャリア不足は大きな死角だが、もともと桜花賞路線はレースキャリアや実績より、本能がモノをいうケースが多い。まして、(本当に素質を秘めているなら)クラスの壁やキャリア不足をはね返すことの多いサンデー産駒。2勝以上馬ともいきなり好勝負だろう。トモの発達した体型から、追って鋭く伸びるタイプに育って不思議ない。アドマイヤ、テイエムの2頭を本線に、少し薄目にも手を広げたい。

 中山のメインは、アイルラヴァゲインの巻き返しに注目。ここ2戦は不良、荒れた芝で詰めを欠いたが、2歳12月に1分07秒8で圧勝(中山)したシャープなスピード型。良馬場で1分08秒前後の決着でこそだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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